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2011年12月に作成された記事

2011年12月30日 (金)

新年のご挨拶

 新年明けましておめでとうございます   2012年の年賀状、クリックすると拡大します。

Nenga

 

 あと一日で今年も終わります。この一年は昭和20年の敗戦以来の大きな出来事、天災と原発事故という人災に遭遇しました。

 政治は自民党が潰えて、空約束を繰り返した政党に変わりましたが、変革などはひとつも起こらず、自民党時代よりひどいのではないかという状況です。

 楽健法はこのところいろんな雑誌にとりあげられたり、TVにもとりあげられたりして、勉強したいという希望者がすこしづつですが増えてきています。

 来年春には、新しい楽健法の入門書を、五月書房から出版を予定しています。
 年賀状にはその宣伝めいたことを書きましたので、早めに公開します。

 あなたの来る年が発展の年になりますように。みなさんの平安を初護摩にてご祈祷いたします。

           磐余山東光寺 楽健法本部 山内宥厳

 

 

2011年12月29日 (木)

折節に詠める 歌の艸々

 

   余は歌人にはあらねど 磐余山に住みて 折節に詠める 歌の艸々

 

                                                山内 宥厳 

 


 

   齋藤のり子さんへ(2006.7.20)

     雨 雨 に返歌してざれ歌を詠む

雨、なかなかふりやまぬがごとく

心、またゆれてやまざる若き日もあり

今、阿闍梨などと自らを名乗るはいとおぞましく思えど

時、いつしか至りてここに来たりし我なれば

花、咲くころならんかと思いて

雨、降ち来る天を見あぐる

 

 

   齋藤のり子さんへ(2006.8.16)

風も吹けこころも閉ざせ過ぎし日よ

生き生き生きていま輝ける闇

 

 

   齋藤のり子さんへ(2007.2.2)

雪降れば時の流れに溶けゆきて

やさしい日差しの窓辺迎える

 

降り積もる冷たき日々も時過ぎて

恵みを受ける種なり我は

 

 

   齋藤のり子さんへ(2007.2.23)

行く日あり戻りもぞするわが友の

迷える姿に思いを馳せる

 

読み返す座右の書には青春の

生き甲斐の魂 息づくならん

 

未だ見ぬが花かも知れずうたかたの

浮き世に流浪す魂なれば

 

 

    齋藤のり子さんへ(2007.3.14)

病あれば 左右の草木 なぎ倒し

思いのなかで 君と駆けゆく

 

大和路に 暮らしはじめて 日々ながれ 

痩せはじめたる マニスを抱く

 

真夜中に マニスはぼくの 頭舐め

寝床に入れろ と 布団を叩く

 

 

 

  齋藤のり子さんへ(2007.5.10)

こころには神もいませり邪もおわす

いずれを振るか自己(われ)のみぞ知る

 

新緑の東光寺山に春植えの

野菜の苗を放して眺む

 

どんよりと重き日差しにおがたまの

蕾ふくらみこころ温もる

 

怒気ふくむメールをもらう朝もあり

珈琲をたてて今日がはじまる

 

 

  江戸にいて(2008.1.19)

月ごとにたずねる江戸の空晴れて

東の京は我を迎える

 

一葉の写真をメモにたばさみぬ

金色の目我を凝視める

 

甘えじゃれまとわりつきて我を追う

マニスのなおき金の目光る

 

 

  宮崎県綾町にて(2008.6.27)

盛り上がり 迫りくる 照葉樹林 

雨やみてのち 激流の音

 

川の音 鈴やかなカジカの音 

草もとよもす 我笛吹きて

 

漆黒の 闇にうずもり 鳴く虫の

いのち高らか 勝鬨のごと

 

高らかに 鳴き鳴き鳴きてつかの間の

生きたるあかし 河鹿鳴く鳴く

 

   梶原喜久子様(2008.8.7)

しみじみと 便りを読みぬ 小夜更けて

蝉も鳴き止む 独りひととき

 

楽健法 楽しい好きと 仲間たち

交歓したる さんざめき聞こゆ

 

繁栄の 世界の外に 生きてきて

触れ合う人の 暖かきかな

 

    贈呈された詩集の感想にかえて 宥厳

    金 里博 様(2008.8.12)

意気込んで 詩をつくるひと ハングルの

衣装も白く ひるがえりつつ

 

血がさわぐ 詩の作り手の ことのはに

虚のこころあり 実の笑顔も

 

 

     吉岡迪子さんという歌人に返歌(2008.11.23)

わが猫は 衰えきたり友にいう

ついに猫婆 となりたりと

 

老婆と いうがふさわしきわが友は

怒りて猫婆を なでて慰む

 

猫婆と いいしわれをわが友は

過ぎにし乙女の 目で睨む

 

マニス・ノアール という我が猫は

遠赤ストーブに 溶け込み生きる

 

夕日に映える クヌギに木登りせしマニスの

爪が二つも座敷に 落ちて吃驚 

 

「猫のまつり」痛快な 詩精神ゴムの

バウンド楽しみながら 礼状を書く

 

   2009年に吉岡迪子さんに勧められて短歌結社「どうだん」同人となる。

   以後毎月10首を投稿す。


   どうだん(2009 年 10/11月号 投稿歌)

白糸で蝙蝠傘に名前書く木綿の針の似合はぬわが手

南無大明神唱ふるうちに舌もつるつまづくごとに数珠くりなほす

早足で行者は歩くものならん手合はすひと目尻に捉へて

行者とは物言はぬもの歓談は裸になつて風呂でのみする

日毎する施餓鬼の味を覚えしか山鳩はくる読経の声に

供養とは佛さまとのままごとかとりかへとりかへお経をあげる

かっこうの声まろやかに聴えくる間のとり方のあのゆうゆうと

かっこうの鳴き声始めて耳にする山林静か留まりてあれ

碧落の吸ひこむ如き森の空烏さかんに何事かいふ

鶯の声聴かぬ日無くしみじみとここにくらせり共生の浄土

 

   どうだん(2009 年 12月号 投稿歌)

彩という孫娘あり怪魚飼う魚名は蛇太郎蛇次郎蛇三郎

水槽に身をくねらせて怪ひかるまだ見ぬ魚の媚態あやしく

墓参り見上げる宙に鉄路あり徳島本線列車通過す

眉山の流れ昔と変わらねど見覚えのひともなき生地墓参りする

風になって流れていますという歌を思い出しつつ墓参りする

霊力の強かった祖母必ずやものいうならんと心澄ませる

数珠をくる信仰の手にしわしわと経読みながら寄せ来たるもの

坊主なり剃りつつ剃らねばどうなるか銀髪なのかごま塩か

横笛を手のひらに乗せ飛翔するわが魂の冷めたる熱気

なよたけのかぐやのごとく飛翔したき思い抱えてパン作りする

洗濯すひとつひとつを取り出して家内のショーツこわごわと干す

 

 

   どうだん(2010年1月号 投稿歌)

握り込んだ幼児の手にもそっくりの楓の葉っぱ庭を埋める

山はいま木楢や橡の葉散り敷いて七十路のわれ覆われてあり

団栗のつやっと光るを取り上げて食えぬものかと眺めたりする

大日如来の見下ろす位置にわれもいて見上げる位置に猫もいるなり

一昨年トタンの屋根に葺き替えてカーンと落ちる団栗激し

二上山の手前にお椀をふせたよう耳成山にピントを合わす

夕景にかすみはじめた耳成山沈む夕日に墨ます二上山

本堂の釘の頭が飛び出ては危なかろうと金槌で打つ

老境に入りたる故か気持ちだけ体は応ずる気配もみせず

阿弥陀からも閻魔大王からも電話きたかのごとく受話器置く日々

 

   どうだん(2010年4月号 投稿歌)

狭い庫裡開け放った空間を駆け抜け駆け抜けみせる黒猫

黒い毛の長い尻尾の先までをこすりつけてはもの伝えたり

留守の間に孤独死させてはどうしよう思い思いてパンを焼くなり

痩せ落ちてまだ艶消えぬ毛をなでてやるマニスの喉はごろごろと鳴る

小水を床に漏らして蹲るかろうじて歩む黒きかたまり

昨晩は朝までソの字に並んで寝たり背骨の突起撫でて哀しむ

二昔落葉の頃にやってきた黒きいのちが初春に散る

二分前顔持ち上げたぼくの目を見つめた瞳が光失う

見上げては花がつおくれという甘えた声も耳朶のなかのみ

麩のごとく軽く固まる黒猫の亡骸抱いて庭を見せたり

 

   どうだん(2010年5月号 投稿歌)

猫二匹たわむれ遊ぶ宿にきてマニスにまさる猫あらめやも

いまさらに悲しむ齢にあらねども庭に埋めし気配はつよし

マニス果て畳替えなど試みて残り毛も見あたらぬ家になりつつ

満開に咲いた桜も年経りて朽ち果てつつも蘖育つ

孫生えの桜が開く季節来て寄り添うごとき朽ち木の黒し

八月にインドへ行こうと思い立ち期限の切れたパスポート見る

だれからもどこからもまた伝わり来ぬこころ閉ざせる友の近況

味噌一と黒砂糖一の割合で鍋に炊き込み味噌ジャムつくる

味噌ジャムのやや柔らかなるに工夫して擂り胡麻加えなめてみるなり

自家製のパン作りには朝の二時起き出して走る四十三キロ

 

   どうだん(2010年6月号 投稿歌)

日によって読経しているわが声も艶があったりなかったりする

食べるとは業深きことなるかあのひとさらにさらに太りて

空腹の刻せまりくれば手をとめてイメージしてみる今宵のご馳走

つぼみもつ日陰の菊菜を折り来たり葉っぱむしりておひたしとする

霜のころ山の畠に種まいた日差しのなかでサヤエンドウを摂る

棘だちし大根の葉を間引きして如何に食うかとしばし眺める

落葉は秋より多き常緑樹くすのきくろがし寺を埋める

階を覆う落ち葉を踏みしめて明日は掃かねばと庫裡へと帰る

パン焼のため早寝をしたる真夜中にフクロウ来鳴きて声に起きだす

半月が見下ろす空のほの明かりガレージの鍵穴キーを差し込む

 

   福山・楽健法講習会(2010年5月14日)教室にて即興

さりげなく脱ぎ捨て落とすゆずりはの陽にきらめけりけさ晴れた日に

 

 

    どうだん (2010年 7 / 8 月合併号 投稿歌) 推薦作品に掲載  

二十年間一枠ごとに切り張りせし庫裡の障子に朝焼け謳う

木漏れ日に染まる障子の樫の影風の気配やいのちの揺らぎ

八月に印度へ渡るパスポート硬い顔してカメラに向かう

おのが顔写真にとりて惚れ惚れと眺めるひとはよもいるよしもなし

月ふたつ浮かぶ小説読み終えて竹取の翁のごとくそっぽ向くなり

吟遊の詩人にあらず両の手で空しき夢をキーにて叩く

午前三時光る目玉をライトに返し田圃に消える狸一匹

読経する遠国からの女性あり涙の声で過去を歩みつ

肥料なし水気もなしか裏山の野菜素気なく花をつけたり

さりげなく脱ぎ捨て落ちるゆずりはの陽にきらめけりある晴れた日に

 

   どうだん ( 2010年 9 月号)    

どこかしら冷たくものいう病む人のこころのなかを駆けめぐるもの

長き夜の明けるを待ってお日さまの沈むをのぞむようなものいい

雨多く日差しの足りぬ今年なり小さな庭に陸稲が揺れて

膝を曲げ半足歩幅の老いた女大地に吸いつく確かな歩み

三株ずつ苦瓜胡瓜を植えましたなかなか伸びねー日毎に覗く

ながながと執拗になく野の鳥の声聞きながらキーボード打つ

繰り返す設定にしてステレオのピアノの音色ピンタタ流る

そっくりの黑猫不意に出喰わして素早く逃げりと胸つかれる

苦と楽とのたうちまわり生ききたる終の住処はいま居るところ

護られてなんとか今日まで来れました仏前に坐す不可思議の日々

 

   どうだん(2010年 10/11 月合併号 )    

からからの窓ガラスに蛙へばりつきいずこへ帰る日暮れの蛙

火鉢あり水草いれて蛙棲む白い花びら可憐に咲きぬ

セメントで作られし臼あり庭に置く睡蓮が咲き蛙も潜む

幾たびも試みてみた菩提樹を冬越えがたき地に育てんと

霜降れば南国性の菩提樹は芯まで冷えて春に芽吹かず

清らかに生きる道とはいずこぞや地には育たぬ鉢の菩提樹

からからの地面の下に眠る猫白骨と化すや水を撒く庭

猫扉開く音して足音の床板を踏むマニスの気配

一晩中足の間にマニスがいたよ朝一番の家内の会話

道場の壁にひっつく二つのたまご場違いではと守宮に訊ね

 

   どうだん(2010年12月号)

二十歳ごろ邂逅したる画家がいた中西康郎黙って去りぬ

賀状来ず去る年七月に果てしことやっと知ったり友を悲しむ

二年経ち友とはなにかただ生きてあればいいかと自問する我

見つけたる旅日記あり黄ばみし表紙の文字によみがえる友

描くはずの白きカンバス並ぶ棚パレット置かれ洗われた筆

自動車に満載をせり油絵を遺作展する画廊へ向かう

堆くスケッチブック残したり遺作展の会場に置く

6Fの画紙に現るスペインの空に描かれた風車が回る

カンバスの前に佇み凝視めいる縁のひとの懐かしむ目

何故か道路標識など丹念に描きこんであり絵描きの不思議

 

 

   どうだん(2011年1月号)

落語家の若い兄ちゃんやってきてテレビに流れるわが照れる顔

威勢よき昭和の女大阪弁オクターブ高く八光に言う

満開の花かと見惚れし川添の柿よ苅られて幹のみが立つ

剪定というにはむごい切られ方手足無くした街路樹を見る

逆光の橡の黄葉見上げつつ石段なかば二度息をつく

百ほどの石段登る逆光の黄葉まぶし本堂の空

うずたかき枯れ葉踏みしめ裏山の鳥鳴く丘で耳成遠望

はるかなる昭和の頃の喧噪の面影もなき梅田を歩く

大山の水で育てた穫れ穫れの米を送られ玄米を炊く

足指の冷える夜なり添い寝せし祖母の寝床の熱き思い出

 

    どうだん (2011年2.3月合併号)

年の暮れ積もる落ち葉を掻き寄せる寒気はじまり数日寝込む

夢のなかにありあり見える父親があちらへ行けと我を追いやる

殿中といえばいやがり裃よといわれば羽織った母の綿入れ

熱もなくひたすら眠い風邪のわれあごに枕で史書をひもとく

七草の粥めしあがればと東からメールがきたが粥思うのみ

切り捨てて拭いもやらず鞘にする時代劇見つつ正月終わる

真夜中のジェット機音かと目覚めたり冷え込む部屋にエアコン唸りて

欲しがってなお欲しがって生きてきた世代がリタイア山歩きする

美術館混んでいましたと話す友悠々時間の持ち主増えて

平日は空いてるはずと思うのはむかしの話芋の子洗う

 

    どうだん(2011年4月号 投稿歌) 

トイレだよここはぽこんと水音たたて排管詰まらす樹木の根っこ

古家の風呂桶塗装剥がれ落ちお陀仏近し我は矍鑠

友人の昔書きたる戯曲あり怨念もあり哀しき恋も

蘇りて歌わんという若き日の苦闘の闇が舞台にかかる

落ちてゆくアメリカ娘の民謡に万葉の世の哀れ重なる

そのときは紅バラいっぱい入れてねと妻語るなり飯くらいつつ

参道にはみ出し茂る皐月刈るわが手に余る茎の堅さよ

刈り跡の風の通りが良くなりし斜面に立ちてまわり睥睨

火山燃え牛豚鶏らも消されたり言葉失う人のなす業

少年時旅情沸き立つ地名あり都城とはいかなる里か

 

   どうだん(2011年5月号 投稿歌) 

そのときは走行中なり四駆にて大宇陀の里地震も気づかじ

巨船まで木の葉のごとく渦巻きぬ人諸共に藻屑の街衢

奈良にいて見ていていいかこの場所で津波は被るわが心にも

地中には蠢くものの意志ありて動くと知りつつその地に生きる

隆起する地球の表皮大海の水持ち上げて大地を襲う

ひとはなぜそこに生きるかと思いつつそこよりほかに生きられもせで

攫われし一望の地に佇んでいまは動かぬ海を見る母子

御しがたき原爆の火を壺に入れ箱にも入れり牙もつ海辺

火遊びの果てに破滅の淵に入る原発事故の環境破壊

晴朗の日が来そうにもなき原発の残骸建屋に蒼き月照る

 

   どうだん(2011年6月号 投稿歌) 

ひれ伏して言葉詰まらす灰色の社長の背中に真っ赤な怒号

原発の積もり広がる見えぬもの山脈越えて海越えて

地の塩は拭いもならず一望の荒廃の田に佇ちつくすひと

新緑も季節の花も咲く里を家畜見捨てて後にするひと

天地の時の流れに勝てずともひとつひとつと石運ぶひと

食わせてと悲鳴をあげるホルスタイン応える人なき二十キロ圏

奪われし戸外で遊ぶ自由をも見た目におなじ大地なれども

流れ去る船や車や家々を見下ろしながら画面切る鳥

幸福は流れ去っても二ヶ月目笑顔で生きる人びとの声

侘助の一輪ひらく庭の寺真白き牡丹三輪咲きぬ

 

    どうだん(2011年7.8月合併号 投稿歌)

夜遅く鳴る電話機の向こうから初めてですがと故郷なまり

今日までの長き来歴縷々という同郷のよしみか初めてのひと

人ごとにあらずと思う運命の流れのままに今日も明日も

我が生家眉山の麓佐古の町小学校の真ん前なりき

摂津航路そんな呼称の汽船にて小松島港から出でし故郷

船底に七人家族身を寄せて見えない明日に向かって座る

空襲の瓦礫広がる大阪の焼け跡のさま津波に似たり

枇杷の葉を鋏で刻み瓶にいれホワイトリカーを注いで閉じる

二リットルの瓶に醸した枇杷の液浴後に爽快全身に塗る

やや曲がる妻の背中にたなごころ触れて疲れの深さを測る

 

   どうだん(2011年9月号)

雨季のよう晴れ止まぬこと多かりき自省をしつつ前に行くのみ

五十回忌隔てておのれのありようを振り返りみる炎天墓前

晴れ止まぬ気分が多き過去なれど記憶の祖母はからっと笑う

炎天下ペットボトルを輪切りして樒供えし小さな墓前

駆け抜けた淡路の道はその昔祖母の育ちし故郷なれども

転居する娘一家の暗転に祖母黙々と大八車(くるま)曳くなり

清水寺の初めて座る本堂に院主と居並び理趣経読む

本堂にともるちいさな照明の赤き光に空爆を見る

がらんどうの心のなかに開く花しぼんで枯れた花もあるらん

日めくりの先に待ちうく何事か原発事故の見えない煙

 

    どうだん(2011年10月号)

起きるかな半睡しつつ自問する今日と明日の時間の狭間

びしっという音に続いて揺れがきて大地の息吹に夢破られる

儚いと消えるいのちに幾たびか思い馳せつつ老けゆく我は

甲虫光る甲殻みなぎらせ畳這うなり意外の速度

日は過ぎぬ心にかかることどもも彼方におしやり自分を生きる

自分とは狭き門より入りきたり作りあげたかあるべき日々を

青春と言葉は若葉のいろなれど苦しみ多き若き日のわれ

蚊遣りつけ消したい時間の位置あたりコインを置きてタイマーとす

パソコンや携帯にぎり対話する文字と言葉とjpg写真

ほめられも苦にもされずに生きたいと願った人からもらえる元気

 

    どうだん(2011年12月号)

黄ばみしきささげの葉に午後の日がこころを添えて優しく光る

樫の木に鳴き盛りたる熊蝉の抜け殻残る猛夏はいずこ

風もなく蒼天映えて青々と茂る蓮華の葉の大きさよ

蓮池の葉のみごとさを写さんとファインダー覗く蒼天の寺

枯れそめし蓮華の花托写さんと腕をのばしてシャッターをきる

花なくもみどりに映える蓮の葉に吸い寄せられてカメラ構える

蓮の葉と並んだモデル写さんと後ずさりたり池に転落

泥濘に埋もり蓮の花ならぬ墨染めの衣蓮池に咲く

古の仏居並ぶ天平の甍見上げつスマートフォン並ぶ

酔芙蓉澄み渡りたる空映し恥じらうごとく微笑み染まる

 

     どうだん(2012年1月号)

本堂に再生ピアノ届いたり摩訶不思議なる指鍵盤走る

護摩の火に般若心経合唱すピアノも弾かれ経に合して

真新し本堂の床樫の木の揺るがぬ根太にピアノの漆黒

真美さんの鍵盤走る白き指自由自在に曲を奏でて

半世紀放置されたるピアノなり古きお堂に再び歌う

冷え込んでさぞ寒かろう本堂に火鉢を三つ炭火を盛りて

かつかつと火の起こりたる火鉢なり三つの炭火暖優しくて

舞い落ちる紅葉の枯れ葉庭を埋め視野開けたり月あかり来る

わが弾けぬ象牙のキーに触れたれば居るよと応じるピアノの音色

護摩壇の添え木をくべる灼熱の火に焼き尽くす煩悩の束

 

 


 

 

 

2011年12月23日 (金)

平成24年の初護摩を受付中です

Photo

 この龍の絵は松本華雪先生の作品です。

 平成24年初春の護摩供養、初護摩は12月31日の除夜の鐘が鳴り始めるころから東光寺の本堂にて厳修いたします。

家内安全 健康祈願 交通安全 当病平癒 入学祈願 心願成就 その他の祈願 

など、ご祈祷いたします。申し込みいただきますと、祈祷札 3000円から

添え護摩 は一願一本 200です。

大晦日に東光寺へご参拝ください。お節料理など接待いたします。

駐車できます。

また遠隔地の方は封書、またはメール ytokoji@begin.or.jp までお申し込みください。

または祈祷料を

   郵便振替【01020-8-71142 東光寺】 

までお振り込みください。お札を送らせていただきます。

 

2011年12月20日 (火)

チャラカ本集植物索引

チャラカ本集植物索引がアップされました。だれでもpdfファイルをダウンロードできます。

『チャラカ本集 総論篇』の出版にあたり、同書には掲載できなかった「植物索
引」を、インターネット上に公開するむね、同所の凡例(xxxvi頁)に記載し、
潮田妙子先生に制作、校正をお願いしていましたが、このほど完成しましたので、
同書に予告していた下記のURLに掲載しました。

http://dl.dropbox.com/u/2067020/caraka/index.html

潮田妙子先生には、原稿の作成、4次におよぶ校正作業など、たいへんご苦労をおか
けしました。

これは、同書の読者のために補足的に作ったものですが、読者でなくても誰でも
アクセス、ダウンロードできます。
A4判、130ページにおよぶ労作となっています。PDFファイルなので軽いファイル
です。サンスクリット語のローマナイズ表記フォントも問題なく表示されるよう
になっています。

このことを、学会事務局・小西様にもお伝えし、学会内外に広報していただける
と(ニュース、ホームページなど)ありがたいと思い、そのむねお願いいたしま
した。

小社のホームページなどにも、本日掲載いたします。

とりあえず、ご報告いたします。

============================================
山崎亮一(せせらぎ出版 代表取締役)
〒530-0043 大阪市北区天満2-1-19-21
Tel.06-6357-6916   Fax.06-6357-9279
メール info@seseragi-s.com
URL    http://www.seseragi-s.com
せせらぎ広場(ブログ)http://seseragi-s.jugem.jp/
============================================

2011年12月14日 (水)

般若心経のピアノ・堀江真美 12月11日

 東光寺の本堂に修理のできたピアノがやってきました。10日夜は堀江真美さんのジャズライブで、観客は50名ほどでしたが、かなり寒くなってきた本堂に、炭火をいれた3つの火鉢を置いて昼間から温めていたので、本堂はかなり暖まってあまり着込まなくても大丈夫な温度に上がりました。

 真美さんの演奏に修理調律をしたばかりのピアノは良く応えてくれました。
 真美さんの自在なピアノ演奏と、ユーモアに満ちた話を交えながらの歌声は六時半から二時間15分ほど、途中のブレイクもなしにあっという間の時間を忘れるひとときでした。

 翌朝、六時半からの本堂の護摩にも参拝された真美さんに宥厳和尚が般若心経にピアノをと声をかけると、さっとピアノに向かって、護摩の進行に合わせて即興演奏で加わってくれました、

 そのときの録音をブログ担当のちあきさんが、youtubeにアップしてくれました。
 動画ではなく写真入りでの護摩とピアノ、繰り返される般若心経の読経とマッチして素晴らしい雰囲気を伝えてくれます。30分を越える長いものですが、お終いまで是非聴いてみてください。

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