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2017年10月に作成された記事

2017年10月15日 (日)

楽健短歌 山内宥厳 

   山内宥厳

2017/12/02 松前旅館楽健法講習会で

書の歌う宿に集いて楽健法紅葉も見える冷え込んだ朝

ひとりいてひとり来たりてまたひとり数名和やか踏み合いをする

ひとときのこころ和める書の宿で世の立て直し論じる仲間

師に会わず主にも会わぬわが道に立ちはだかりしひとりの女



どうだん VOL.80 No.5 【2016(平成28年)年9 /10 月号】

体力も限界ならんパン作り葉月の暑熱真赤な尿

薄暗き寺の庭にて鳴き盛る茅蜩の声夕焼けに染む

人生は五十年とも言われたり八十路の闇の波濤轟く

生涯といふ概念の外側に今日一日があり一瞬の夢

楽健法世に伝えんと半世紀いつ終えるかといのち見詰めつ

朗々とまだ声が出て聲明の夜明けの本堂妙鉢叩く

敵に塩どころではなく飛び上がり勝てば得意のガッツポーズ哀し

終戦の詔勅の声揺らめきて敗戦の空澄み渡りたり

爆弾で歪曲したる橋ありて米兵乗りしジープがジャンプ

鬼畜なり敵を憎めと刷り込まれ笑顔を見せる米兵黙視す





どうだん VOL.80 No.4 【2016(平成28年)年7 / 8月号】

夫婦とは心は通じなにもかも円満具足のふりして生きる

誇りある家系なんだと伝えゆく古老はいつしか老人ホーム

心配をしたとて手持ちの駒はなく任せるがよし流れるままに

み佛は名前はほっとけみたいだがほっとかないのが佛さまなり

振り返り後悔のなき道歩むただ一回のいのちなりせば

人間の心のなかはお天気とそっくりですね荒れたり晴れたり

常識でわかりきったるよしなしを改めて問う愚かなあなた

父母の身罷りし年超え生きて苦渋の人になにごとか言う

引き比べ幸福度合い計る人我が道を行く苦労知る人

思索して経巡ってのち年老いてなお解けやらぬ人間の謎





どうだん VOL.80 No.3 【2016(平成28年)年5 / 6月号】

木漏れ日の心をくるむ優しさに柏手打ちて旭日を拝む

木漏れ日はそよたる風に横揺れし縦にも揺れて障子を走る

物事が真っ直ぐならぬ世になりぬ斜佛起こして日向を受ける

ありありと地獄が見えて極楽は何処にありや霞深くして

原発は貪瞋痴なり欲張りののうたりんすなる地獄への道

地に頭垂れたる花にレンズ向け空をバックに紅梅も撮る

侘助の日陰に楚々と開きたる見もやらずいて済まぬと詫びる

手入れなき庫裡の庭には愛猫の墓碑も樹蔭で落ち葉に埋もれ

生きるとは意味を問いつつ過ごしたる二十歳の頃の冬寒かりき

八十路なる軀に起きるこもごもの変化抱えつ明日へと生きる



どうだん VOL.80 No.2 【2016(平成28年)年3 / 4月号】

遅々として進まぬ授業に業煮やし不登校して読書に励む

宿題はこなしたこと無く小二から乱読人生歩みて止まず

優等生なんかになって得意げになりたくはなし不良の我は

人間は不良に限ると思いつつ自分のペースで読書三昧

自由とは自在とはなに学校で学べぬことを文学で知る

満々の器の水は淀むなり入れ変えざれば毒と変ずる

これ以上生きる術などあろうかと悩み抜いたる日記をひらく

人は皆心折れたり死ぬ死ぬと言ったりしつつ老いを迎える

父は荒れ母の苦労を見て育つ愚痴など言わぬ母を支えて

荒れる父見つつ育って将来のあるべき老いの自分を思う



どうだん VOL.80 No.1 【2016(平成28年)年1 / 2月号】

立ち退きの荒みし家は如何ならん通りて見れば壊しつつあり

暗闇に底がないぞと思いつつ生き過ごしたり間も無く八十路

借家寺などと意識もなかりしが楽健寺なる家灯ともしけり

あらあらと慌ただしくも転居せり我が家とはいえまた借家なる

生まれたる借家の梁を見上げたり終の棲家にあらずとも知らず

転々と居を移したり廃墟から数え上げたら三十数回目

我が家とは借家なりとて束の間の家族まどいて生き抜く場所か

立ち退いて頂きたしと慇懃に頭を下げる禿頭をじっと凝視めて肯いし我

ユリの木や種から伸びし枇杷の実を眺めつ過ごす借家の我が家

佛の間いと狭けれど三人は坐りて読経す鼎堂なりき



どうだん VOL.79 No.6 【2015(平成27年)年11 / 12月号】

つぎつぎと歌詠む人の不思議さよ奴隷の韻律など言う人もいて

指を折り折り数えては歌を詠む左右の指に言葉からまる

天空に赫々とした星あらん明かりを消して眠らんとする

消されざる記憶の中の異次元で父母と見上げし闇夜の星よ

わが生の波濤のごとく流れ去る星も月夜も闇に呑まれて

ネパールの原野に立ちてしっかりと手に掴みたる涙の星よ

頬ずりをする人もなき今宵には髭も当たらず風呂も使わず

小雨降る屋根打つ音の快きリズムに溶けてうたたねをする

釈尊の辿り来たりしかくあれと伝えきたりし星茫漠として

陽に干した祖母の布団の温もりを冷え始めたる寝床で思う



どうだん VOL.79 No.5 【2015(平成27年)年9 / 10月号】

温めて豆入り飯を一人食うおかずなけれど思いが一菜

芽の出たる馬鈴薯一つ鍋で煮てジャガサラ作る炎熱の午後

独り食うひる美味からず胃がきりり舞う思いする奈良の昼食

手のひらに神水掬い狭き空見上げつ参る山狭井神社

宍道湖の宿蜆汁玉子焼き鮭の一切れ一碗の飯

三日目に通りかかりし街並みに新しき家突然に建つ 

永久に世代を超えて繋ぎたる技も途絶えん量産の家

月桂樹背高く伸びたる川沿いの木立を被う蔦の勢い

脱筆のこころに潜む余韻には甘き和菓子と焙じ茶欲しや

クリシュナの笛持つ手から神々の心操る調べ流るる



どうだん VOL.79 No.4 【2015(平成27年)年7 / 8月号】

どうだんに神の味噌汁歌送る仕上がりみたら神のみぞ知る

ふざけたるテレビにちらっと出演すパン買う客が行列をせり

パンに穴穿ちて覗く外界には有象無象の修羅立ち働くや

食パンの不足埋めんと追い焼きの作業のはずが家内大怪我

レーズンのパンが出来たる早朝にすぐ買いに来る自転車女性

ヨモギ粉をばらりばらりと投げ入れて緑の生地の香る朝なり

如意輪を描いてみんかと車中にて試みたるも如意ならぬ絵よ

国民を問答無用の圧政で右に傾げて何処へ行くや

軍人の顔思い出すおっさんと思っていたが青き若人

わが耳にいまも聞こえる行軍の軍靴の響き軍歌の声も



 参 考 

   胎内に宿りし日から灰となる生命の軌跡神の味噌汁



どうだん VOL.79 No.3 【2015(平成27年)年5 / 6月号】



胎内に宿りし日から灰となる生命の軌跡神のみぞ知る

問いかける心があって何処より出でて消えるか悩む若き日

所得ぬ甲斐なき我と思いつつ肋間痛み撫で摩る夜

自明なる難問ならぬ問いかけを堂々巡りす何時の時代も

冷え込みも旅の味なり震えつつ引っ張るバッグは重き人の世

空なりと自分の在り処観じたる心に坐るあの日あのこと

向こう岸何処の河岸から渡らんか浅瀬探すや舟求むるや

五十年の歳月隔て夢枕母なにごとも語らずに佇つ

夢に見し母の裸身は妖しげに我を誘い抱けとばかりに

自分とは何者なるか思索して歌詠む謎の深みどろなり



どうだん VOL.79 No.2【 2015(平成27年)年 3 / 4月号 】



どのように心動くか測りかね暗闇で泣く童のおのこ

歌詠みが歌詠む時の心映え大胆だったり小心だったり

文遣りて開封済みの文字出れば安堵もすれど懸念も芽生え

知の淵に寄り添うごとくアンニュイの放棄の思考稲光りたり

明晰な思索の淵に立たずとも見えたるものが行方導き

哲学の徒にあらねども歌詠みの思索の底に銀河は流れ

秋更けて歌詠みつつも深淵の見えざるものに言の葉を投げ

石佛の点在したる庫裡の庭恋の季節か猫ども騒ぐ

晩飯の残りをみんなにぎりめし作って眺め大皿に盛る

どこに居てなにをしてるか知らねども昔別れた人も老婆か



どうだん VOL.79 No.1【 2015(平成27年)年 1 / 2月号 】

パン焼きの終えてもの食う意欲なくだるき身体で暫し黙然

見えぬ手が導ききたる思いしてパンつくりつつ今在る不思議

歌詠みが歌詠む時の心映え大胆だったり小心だったり

知の淵に寄り添うごとくアンニュイの放棄の思考稲光りたり

明晰な思索の淵に立たずとも見えたるものが行方導き

哲学の徒にあらねども歌詠みの思索の底に銀河は流れ

秋更けて歌詠みつつも深淵の見えざるものに言の葉を投げ

石佛の点在したる庫裡の庭恋の季節か猫ども騒ぐ

救いとは誰が何方に伸べる手か選挙のニュースさらなる闇か

雨降れば恵みとならん晴れたれば陽に感謝する天地の流れ



どうだん VOL.78 No.6【 2014(平成26年)年11 / 12月号 】



年寄りの時間を盗るなと言いたれど齢の暮れよ何処へ行かん

苦しさよ水満ちるごとこの胸に海の水から生まれし闇よ

もがきつつ背中の右手は空を掻き痒みの海に攫れてゆく

遠くより呼ぶ声がして堕ちて行く夜の眠りのふかき裂け目に

明と暗幸せ不幸アントニムのあわいで揺れる矛盾(ほこたて)のわれ

にぎにぎと猫じゃらし手に散歩する押戸石山雨に降られつ

雁がねの渡る姿も見なくなりわが置かれたる荒びし天地

朝まだき鵯群れて姦しき障子に揺れる樹影やわらか

龍出でて下界荒ます鬼どもを散華のごとく吹き祓えかし

喘ぐごと流れ波打つ笛の音に夜は静かに満たされてゆく



どうだん VOL.78 No.5【 2014(平成26年)年9 / 10月号 】



夏草の生い茂りたり石段を登りつ思う足老いつつありや

おんぱらという祭なり誘われ三輪の鳥居に花火を見上ぐ

おんぱらの綱越神社に夜店立ち嬌声あげる浴衣の乙女ら

空気裂ききゅーんと上がる爆音の火花尾を引き瞬きの花

足裏の痛みがかなり居残りてびっこひきひき夜中のトイレ

悪癖もまだ残りしか自然酒の瓶に手を出しならじとひっこめ

そうめんの昼飯できたとコールされあと一首なりしばしと返事

屋根叩く雨のざわめき耳そばだてぬ霊言のごと疾く逝きしひとの

父母の如何なる思い籠められて生まれし我ぞ目を閉じて問う

羅音鳴る苦しき朝よ目を閉じつ過越し日々の意味を問うなり



どうだん VOL.78 No.4 【 2014(平成26年)年7 / 8月号 】



アクセルのペダル踏み込み出雲路の豪雨突き抜け米子の宿へ

熟睡もまだ不足感居残りぬ飽かず眠れと促す季節

恐ろしき雷鳴の後明るさをとり戻したる空に頷く

痒くって伸びきらぬ手を背に這わす尿意もだしてじれる長き夜

身罷りし友何処なり中陰の黄泉路歩むか薄明かりなる

月明かり童のころに母の背でもらい風呂行く影の母子像

苔むしたお顔の手入れ弘法も久方ぶりに晴れ晴れと見ゆ

鬱症のひと多かりし木の芽時じわっと踏んで鬱払えかし

除草剤浴びて萎れた庭草の広がる会館パン焼き指導す

肌寒き東光寺山木漏れ日の庭掃除せり紫蘭の咲ける



どうだん VOL.78 No.3 【 2014(平成26年)年5 / 6月号 】

花冷えに重ね着せんかと思いつつそれもせずして鼻水を拭く

枯れ枝を活けたる寸胴淋しくて花鋏手に裏山歩く

名を知らぬ真白き小さな花の木を切り取ってきて寸胴に活け

桜花散り敷きつめる石段の花の模様を惜しみつつ掃く

あたらしき仲間を迎え午後からは楽健法の幕を開きぬ

原発が再稼働すという内閣の決議悲しも懲りない面々

飛龍あり見開ける眼の輝きよ焼き尽くすべし愚かな人ら

金色にきらきら光る誕生の佛の前に散華の嵐

寅吉をモデルに造りし誕生佛時が来たりて花飾りする

本堂に座して見上げる大日の静かな影に寄り添いて行く



どうだん VOL. 78 No.2 【 2014(平成26年)3 / 4 月号 】



晩年を故郷の近くで生きたしと大和に住みし親友が逝く

小説の道ゆかんとすワープロもパソコンもなきペンの時代に

わが歌が題名なりし処女作の薄靄かかる人生描きし

旅先の僕を訪ねて食道に癌ができたと俯ける君

手術後も抗がん剤の服用も副作用なく十余年生き

長夜という小説載せし風葬の同人雑誌三号で消ゆ

目に深き闇たたえたりさよならもいわずに逝った長夜の友は

顔見ればおうと応えし若き日の小柄な君の笑顔やはるか

しなくてもよい遠慮して付き合ったそんな思いがしないでもない

僕の詩に如何なる評をするかしら思いうかべつ雨季の詩書けり



どうだん VOL.78【 2014(平成26年)1 / 2 月号 】



年の暮れ祭日なれどパンを焼き車少なき道路を走る

ひるがえし鮮やか緋色や黄の光空舞い降りる落葉の哀れ

深き夜の杜に遊びし野良猫か庫裏の庭にて怪しげな音

猫の声同じからずや聞こえ来る猫の鳴き声マニスにあらず

床下に巣くうものあり材木をことりとさせて何処かへ行く

手のひらにひんやり重き磐笛の貫ける穴吹き神と語らう

石笛を魂魄こめて吹き鳴らす三輪の磐座届けとばかり

磐座の磐の芯まで届けよと石笛吹きて暗きを払う

神道の初道を説ける和綴じ本僕に渡して笑みつくるひと

行く日々の残されし里程いかほどかまだまだ若いと己励ます





どうだん【 2013(平成25年)11 /12月号 】



時たまに通る道辺に深々と闇抱え込む鎮守の杜よ

神の杜なに思うらん枝を切り樹霊も宿れぬ無残な形

オブジェかと思うばかりに切られたる樹形を見れば心が折れる

散る落ち葉掃除に手間がかかるとて鎮守の杜を裸形にしたか

数日後満開だなと見上げたる桜を切りし地主もいたり

もの言わぬ樹木の芯を流れいるいのちの水が樹霊ならんか

切り捨てて積み上げられた杜の木よセモガチュパットスンプと祈り

切ったひと間もなく病んで身罷って樹霊のせいだと思いたき我

葉擦れ哀し東光寺山の落葉樹夕陽を浴びて朱に染まる

近づいた台風の音聞きながら旅支度する風邪気味の我



どうだん【 2013(平成25年)9 /10月号 】



満たされてあったことなし欲望の欲しがりもせぬ我になりても

禁欲の教えを説いた釈尊の教えの道や艱難辛苦

欲張って生きることこそやさしけれ拝観すれど道は歩まず

破滅する淵まで落ちて気づくのか気づかぬままか原発の湯気

ひとはみな欲望のまま生きてあり気づかぬ人に教うるすべなし

欲望を肯う教え身につけて同行二人楽健法する

かくあれと教えを説いた聖人のさもありなんか背きたき我

病んでみてはじめてわかる難しさ制御しがたき自分のこころ

思うよう生きられるならなにほどの苦しみあらん気持ちのままに

蜩のいんいんと鳴く夕暮れに仏伝読みつつ我とは何か





どうだん【 2013(平成25年)7 /8月号 】



ほのあかく染まる西空不思議なり丑満時に工房へ行く

二時半に目覚ましかけて床に入る四時間半は眠らせてあれ

つぎつぎと工場が消えてまだ生きるパン工房に明かりを点す

壁に這う掌ほどの大蜘蛛にどこから来たかとカメラを向ける

パソコンのフェイスブックで人々に蜘蛛や百足や蛙を見せる

唐辛子袋に入れてピン止めす腰痛冷え性忘れて動く

数キロは病んで痩せたる背を眺むわれも苦悩す掻痒の日々

やってくるものに従う日々なれば異変ありとてふためきもせず

まだまだよなどというのは本心か寄る年波も忘れて動く

しっかりと深く地中に根をおろす東光寺山の樹木やさしも





どうだん【 2013(平成25年)5 /6月号 】



赫々と朝日に映える紅の本堂の前木蓮見上げ

連れ合いの病んで痩せたる細腕を支えてトイレへ点滴のまま

こわれそう掌に入れ愛おしむ刻のながれよ痩せ細るひと

手術日は宍道湖近い教室で時計にらみつ仏教法話

ソファーにて一夜を過ごす白壁の闇に呼ばわる起こしての声

一時間ごとに目覚めて点滴のポール支えに横歩きせり

手術後の遅速に歩む妻の手を支えて深夜トイレに起きる

痛がりし妻はいかにと病院のソファーで目覚める薄明の朝

二日目は黙って起きる気配して歩幅も広くトイレへ向かう

見上げたる木蓮のいろ濃艶で楚々たる白を脳裏にも見る





どうだん【 2013(平成25年)3 /4月号 】



ほろほろと淡き緑のきぬさやの苗伸び始めたり枯れ葉の畑に

日当たりの少なき山に沁みるごと朝日をあびてきぬさやが伸び

さくざくと落ち葉踏みしめ冬枯れの東光寺山の畑を歩く

じんわりと水を含んだ今朝の畑汀に沈む足の感触

冷え込んで霜焼け出来た右足の指の先には朱色の痒み

何日か何曜日かも消し飛んで何事かするわれ何者か

左足指に痛みがありました靴下替えたり靴試したり

健康の先生なればいずこにも不具合なしとうまくはいかじ

大和路の没日の下に佇みて光の海に溶けてゆくわれ

あらあらと思う間もなく締めきりが迫って叩くキーボードなり





どうだん【 2013(平成25年)1 /2月号 】



もみじ葉の真っ赤に染まるやわらかき陽差し眺めつ夕餉の支度

集いたる楽健法の受講者に過ぎ来し俗世の歩みを法話す

即興の一人芝居を演じては空爆されし経験語る

足で踏む足裏太もも脹ら脛腕の付け根も手足の先も

踏まれては眠ってしまう楽健法眠っちゃ駄目だね教えられない

踏むことをム楽健法といい踏まれるをディ楽健法というインドネシア愛好家

楽健法をはじめたところあれほどの不仲消えたとケニアの夫妻

手のひらに足の裏にもあかあかと血が通うのかほかほか手足

クロガシの樹霊見守る杜に棲む野良猫蛙長虫浄土

あとひとつ詠めばさばさば着こなして旅に発てるか師走の朝





どうだん【 2012(平成24年)12月号 】



ながいこと続けてきたる麺麭作り後何回かと思いつつ焼く

香りたつ麺麭を軽四に積み込んで配達に出る眠気払いつ

はるばるとアラスカのひと麺麭焼きの日に現れてパンを丸める

美味しいね顔見合わせて焼きたての麺麭をちぎってほうばる笑顔

翌日の香りたつ麺麭しんなりと縦にひきさき口にほうばる

にんじんとリンゴ長いもごはんまでミキサーにかけパン種作る

干しぶどう胡桃を入れて焼くパンのはみ出し焦げたる胡桃のうまさ

胡桃とかブドウがいまにも落ちそうにくっついたパン袋に入れる

一日に百キロの粉パンにして日暮れの前に宅配出荷

楽健法を広めて生きんとこころざしネパールまでも旅をするなり





どうだん【 2012(平成24年)10 /11月号 】



昭和にはかじかんだ手を暖めし火鉢を庭で池とするなり

水草も茂り初夏には水中花ひっそりひらく火鉢の池に

七夕の商店街に夜店来てめだか売るひとめだか買う我

水中を泳ぐメダカを見もやらず蛙も出入りす火鉢の池に

見るたびに大きくなった三匹の蛙消えたり一昨日朝から

餌取りに出かけたのかと思いきや水草乱れて荒れたる気配

蛙消え火鉢の池の傍らに大きな羽を残せしクロサギ

すいすいと泳ぐめだかに手のひらで自作のパンを与え見るなり

つんつんとパン粉をつつく白めだか蛙不在の池の営み

東光寺へ時空を超えて辿り来たひとりの旅僧満月仰ぐ





どうだん【 2012(平成24年)8 /9月号 】



二人目を孕んだ女が幼子を抱いて田町で乗り込んで来た

和紙ならぬ手漉きの紙に歌綴るネパールの紙あたたかし

腰痛の仲間後から現れてサパナのカレー舌鼓打つ

シジミ汁小粒に過ぎて貝殻の音だけするが中味は食えず

雨の寺庭にうろつく猫の声マニスが来たかと腰を浮かせる

辿り来たながき道程振り返るこれこっきりの貧しきわれよ

豊かなる愛もはたさず生き来たりせざりしことを思い返しつ

これからはだれに向かって生きるのか得がたき時間いかほどあって

石段を昇り疲れて止める足シャガが真白く笑顔で迎え

山道の繁り過ぎたる樫の木の枝をはらって青空覗く

香具山のユリノキすらりと森に立ち競い合うよう空へと伸ばす

しぬという名の枯竹を拾いきて笛を作らん天香久山





どうだん【 2012(平成24年)6 /7月号 】

自然酒ののどごし良くてやめていた酒一瓶を空にする

いただいたまずくて食えぬ干し柿を裂いて酢の物試みんかな

焼きすぎて炭となりたる食パンをこさげて食べる旅立ちの朝

冷え込んで月のまんまる満開桜ふるえながらも花を楽しむ

八分咲き川辺の桜あとすこし鵯来たりて蕾をつつく

満開の桜の花は匂うのか引き寄せ嗅いでる女見かける

嗅いでいる女に倣い近づけばかそけき香り立つ桜花

春雨に叩かれ落ちる満開の地面に描く桜モザイク

花の下並んで記念の撮影が雨にたたられ葉桜の下

積雲の層を貫き茜差すまんまる夕日が姿を呉れる





どうだん【 2012(平成24年)4 /5月号 】

かんかんに炭火を起こし鉄瓶を火鉢に置きて白湯をたしなむ

昔なら火鉢の火だけで過ごしたり綿入れ着たり震えたりして

鉄瓶の白湯も旨みはそこそこで育ちし家の水ぞ懐かし

キシリッシュなどいうガムを噛みながら眠気まぎらせパンの配達

ポケットに五鈷杵を入れて握りしむ手も温もりてこころ広がる

好きなのはコスタリカとかマンデリン豆を挽きつつ明日に向かう

釘煮という佃煮を呉れた友ありきやや震えたる添え文を読む

健康にパンと楽健法伝えたり四〇数年いまも広がる

震災の地のこどもらがはしやぎて仮設の家を揺らして走る

楽健法するひともなき荒蕪地に行きて踏みたや疲れたひとら





どうだん【 2012(平成24年)2 /3月号 】

まほろばといわれる土地に縁ありて根を下ろしたり二昔過ぐ

七十路の半ば過ぎたり残る日々見果てぬ夢の森のくらやみ

黒猫と黒樫繁る丘に住み刻流れたり良い月明かり

荒ぶ世に遇い生まれ来て見晴るかす焼け野原あり津波の芥

いつだって死ぬのは他人と思うのが戦をしかけ死地に追いやる

あれもいやこれもいやとはいえぬのがあれこれ抱えのたうちまわる

しあわせはひとの心に潜むもの満ちると読むか欠けると読むか

いそのかみ神社に詣で玉の緒の可憐な勾玉開き見るかな

小綬鶏や尾長の地鶏枝にいて我を見下ろす石上神社

日だまりに座す人のあり見上げたる空に雲あり猫そっくりの





どうだん【 2012(平成24年)1月号 】

本堂に再生ピアノ届いたり摩訶不思議なる指鍵盤走る

護摩の火に般若心経合唱すピアノも弾かれ経に合して

真新し本堂の床樫の木の揺るがぬ根太にピアノの漆黒

真美さんの鍵盤走る白き指自由自在に曲を奏でて

半世紀放置されたるピアノなり古きお堂に再び歌う

冷え込んでさぞ寒かろう本堂に火鉢を三つ炭火を盛りて

かつかつと火の起こりたる火鉢なり三つの炭火暖優しくて

舞い落ちる紅葉の枯れ葉庭を埋め視野開けたり月あかり来る

わが弾けぬ象牙のキーに触れたれば居るよと応じるピアノの音色

護摩壇の添え木をくべる灼熱の火に焼き尽くす煩悩の束





どうだん【 2011(平成23年)12月号 】

黄ばみしきささげの葉に午後の日がこころを添えて優しく光る

樫の木に鳴き盛りたる熊蝉の抜け殻残る猛暑はいずこ

風もなく蒼天映えて青々と茂る蓮華の葉の大きさよ

蓮池の葉のみごとさを写さんとファインダー覗く蒼天の寺

枯れそめし蓮華の花托写さんと腕をのばしてシャッターをきる

花なくもみどりに映える蓮の葉に吸い寄せられてカメラ構える

蓮の葉と並んだモデル写さんと後ずさりたり池に転落

泥濘に埋もり蓮の花ならぬ墨染めの衣蓮池に咲く

古の仏居並ぶ天平の甍見上げつスマートフォン並ぶ

酔芙蓉澄み渡りたる空映し恥じらうごとく微笑み染まる





どうだん【 2011(平成23年)10 /11月号 】

起きるかな半睡しつつ自問する今日と明日の時間の狭間

びしっという音に続いて揺れがきて大地の息吹に夢破られる

儚いと消えるいのちに幾たびか思い馳せつつ老けゆく我は

甲虫光る甲殻みなぎらせ畳這うなり意外の速度

日は過ぎぬ心にかかることどもも彼方におしやり自分を生きる

自分とは狭き門より入りきたり作りあげたかあるべき日々を

青春と言葉は若葉のいろなれど苦しみ多き若き日のわれ

蚊遣りつけ消したい時間の位置あたりコインを置きてタイマーとす

パソコンや携帯にぎり対話する文字と言葉とjpg写真

ほめられも苦にもされずに生きたいと願った人からもらえる元気





どうだん【 2011(平成23年)9月号 】

雨季のよう晴れ止まぬこと多かりき自省をしつつ前に行くのみ

五十回忌隔てておのれのありようを振り返りみる炎天墓前

晴れ止まぬ気分が多き過去なれど記憶の祖母はからっと笑う

炎天下ペットボトルを輪切りして樒供えし小さな墓前

駆け抜けた淡路の道はその昔祖母の育ちし故郷なれども

転居する娘一家の暗転に祖母黙々と大八車(くるま)曳くなり

清水寺の初めて座る本堂に院主と居並び理趣経読む

本堂にともるちいさな照明の赤き光に空爆を見る

がらんどうの心のなかに開く花しぼんで枯れた花もあるらん

日めくりの先に待ちうく何事か原発事故の見えない煙





どうだん【 2011(平成23年)7 /8月号 】

夜遅く鳴る電話機の向こうから初めてですがと故郷なまり

今日までの長き来歴縷々という同郷のよしみか初めてのひと

人ごとにあらずと思う運命の流れのままに今日も明日も

我が生家眉山の麓佐古の町小学校の真ん前なりき

摂津航路そんな呼称の汽船にて小松島港から出でし故郷

船底に七人家族身を寄せて見えない明日に向かって座る

空襲の瓦礫広がる大阪の焼け跡のさま津波に似たり

枇杷の葉を鋏で刻み瓶にいれホワイトリカーを注いで閉じる

二リットルの瓶に醸した枇杷の液浴後に爽快全身に塗る

やや曲がる妻の背中にたなごころ触れて疲れの深さを測る



どうだん【 2011(平成23年)6月号 】

ひれ伏して言葉詰まらす灰色の社長の背中に真っ赤な怒号

原発の積もり広がる見えぬもの山脈越えて海越えて

地の塩は拭いもならず一望の荒廃の田に佇ちつくすひと

新緑も季節の花も咲く里を家畜見捨てて後にするひと

天地の時の流れに勝てずともひとつひとつと石運ぶひと

食わせてと悲鳴をあげるホルスタイン応える人なき二十キロ圏

奪われし戸外で遊ぶ自由をも見た目におなじ大地なれども

流れ去る船や車や家々を見下ろしながら画面切る鳥

幸福は流れ去っても二ヶ月目笑顔で生きる人びとの声

侘助の一輪ひらく庭の寺真白き牡丹三輪咲きぬ





どうだん【 2011(平成23年)5月号 】

そのときは走行中なり四駆にて大宇陀の里地震も気づかじ

巨船まで木の葉のごとく渦巻きぬ人諸共に藻屑の街衢

奈良にいて見ていていいかこの場所で津波は被るわが心にも

地中には蠢くものの意志ありて動くと知りつつその地に生きる

隆起する地球の表皮大海の水持ち上げて大地を襲う

ひとはなぜそこに生きるかと思いつつそこよりほかに生きられもせで

攫われし一望の地に佇んでいまは動かぬ海を見る母子

御しがたき原爆の火を壺に入れ箱にも入れり牙もつ海辺

火遊びの果てに破滅の淵に入る原発事故の環境破壊

晴朗の日が来そうにもなき原発の残骸建屋に蒼き月照る





どうだん【 2011(平成23年)4月号 】

トイレだよここはぽこんと水音たたて排管詰まらす樹木の根っこ

古家の風呂桶塗装剥がれ落ちお陀仏近し我は矍鑠

友人の昔書きたる戯曲あり怨念もあり哀しき恋も

蘇りて歌わんという若き日の苦闘の闇が舞台にかかる

落ちてゆくアメリカ娘の民謡に万葉の世の哀れ重なる

そのときは紅バラいっぱい入れてねと妻語るなり飯くらいつつ

参道にはみ出し茂る皐月刈るわが手に余る茎の堅さよ

刈り跡の風の通りが良くなりし斜面に立ちてまわり睥睨

火山燃え牛豚鶏らも消されたり言葉失う人のなす業

少年時旅情沸き立つ地名あり都城とはいかなる里か





どうだん【 2011(平成23年)2 /3月号 】

年の暮れ積もる落ち葉を掻き寄せる寒気はじまり数日寝込む

夢のなかにありあり見える父親があちらへ行けと我を追いやる

殿中といえばいやがり裃よといわれば羽織った母の綿入れ

熱もなくひたすら眠い風邪のわれあごに枕で史書をひもとく

七草の粥めしあがればと東からメールがきたが粥思うのみ

切り捨てて拭いもやらず鞘にする時代劇見つつ正月終わる

真夜中のジェット機音かと目覚めたり冷え込む部屋にエアコン唸りて

欲しがってなお欲しがって生きてきた世代がリタイア山歩きする

美術館混んでいましたと話す友悠々時間の持ち主増えて

平日は空いてるはずと思うのはむかしの話芋の子洗う





どうだん【 2011(平成23年)1月号 】

落語家の若い兄ちゃんやってきてテレビに流れるわが照れる顔

威勢よき昭和の女大阪弁オクターブ高く八光に言う

満開の花かと見惚れし川添の柿よ苅られて幹のみが立つ

剪定というにはむごい切られ方手足無くした街路樹を見る

逆光の橡の黄葉見上げつつ石段なかば二度息をつく

百ほどの石段登る逆光の黄葉まぶし本堂の空

うずたかき枯れ葉踏みしめ裏山の鳥鳴く丘で耳成遠望

はるかなる昭和の頃の喧噪の面影もなき梅田を歩く

大山の水で育てた穫れ穫れの米を送られ玄米を炊く

足指の冷える夜なり添い寝せし祖母の寝床の熱き思い出





どうだん【 2010(平成22年)12月号 】

二十歳ごろ邂逅したる画家がいた中西康郎黙って去りぬ

賀状来ず去る年七月に果てしことやっと知ったり友を悲しむ

二年経ち友とはなにかただ生きてあればいいかと自問する我

見つけたる旅日記あり黄ばみし表紙の文字によみがえる友

描くはずの白きカンバス並ぶ棚パレット置かれ洗われた筆

自動車に満載をせり油絵を遺作展する画廊へ向かう

堆くスケッチブック残したり遺作展の会場に置く

6Fの画紙に現るスペインの空に描かれた風車が回る

カンバスの前に佇み凝視めいる縁のひとの懐かしむ目

何故か道路標識など丹念に描きこんであり絵描きの不思議





どうだん【 2010(平成22年)10 /11月号 】

からからの窓ガラスに蛙へばりつきいずこへ帰る日暮れの蛙

火鉢あり水草いれて蛙棲む白い花びら可憐に咲きぬ

セメントで作られし臼あり庭に置く睡蓮が咲き蛙も潜む

幾たびも試みてみた菩提樹を冬越えがたき地に育てんと

霜降れば南国性の菩提樹は芯まで冷えて春に芽吹かず

清らかに生きる道とはいずこぞや地には育たぬ鉢の菩提樹

からからの地面の下に眠る猫白骨と化すや水を撒く庭

猫扉開く音して足音の床板を踏むマニスの気配

一晩中足の間にマニスがいたよ朝一番の家内の会話

道場の壁にひっつく二つのたまご場違いではと守宮に訊ね





どうだん【 2010(平成22年)9月号 】

どこかしら冷たくものいう病む人のこころのなかを駆けめぐるもの

長き夜の明けるを待ってお日さまの沈むをのぞむようなものいい

雨多く日差しの足りぬ今年なり小さな庭に陸稲が揺れて

膝を曲げ半足歩幅の老いた女大地に吸いつく確かな歩み

三株ずつ苦瓜胡瓜を植えましたなかなか伸びねー日毎に覗く

ながながと執拗になく野の鳥の声聞きながらキーボード打つ

繰り返す設定にしてステレオのピアノの音色ピンタタ流る

そっくりの黑猫不意に出喰わして素早く逃げりと胸つかれる

苦と楽とのたうちまわり生ききたる終の住処はいま居るところ

護られてなんとか今日まで来れました仏前に坐す不可思議の日々





どうだん【 2010(平成22年)7 / 8月号 】 推薦作品に掲載

   二十年間一枠ごとに切り張りせし庫裡の障子に朝焼け謳う

木漏れ日に染まる障子の樫の影風の気配やいのちの揺らぎ

八月に印度へ渡るパスポート硬い顔してカメラに向かう

おのが顔写真にとりて惚れ惚れと眺めるひとはよもいるよしもなし

月ふたつ浮かぶ小説読み終えて竹取の翁のごとくそっぽ向くなり

吟遊の詩人にあらず両の手で空しき夢をキーにて叩く

午前三時光る目玉をライトに返し田圃に消える狸一匹

読経する遠国からの女性あり涙の声で過去を歩みつ

肥料なし水気もなしか裏山の野菜素気なく花をつけたり

さりげなく脱ぎ捨て落ちるゆずりはの陽にきらめけりある晴れた日に



どうだん【 2010(平成22年)6月号 】

日によって読経しているわが声も艶があったりなかったりする

食べるとは業深きことなるかあのひとさらにさらに太りて

空腹の刻せまりくれば手をとめてイメージしてみる今宵のご馳走

つぼみもつ日陰の菊菜を折り来たり葉っぱむしりておひたしとする

霜のころ山の畠に種まいた日差しのなかでサヤエンドウを摂る

棘だちし大根の葉を間引きして如何に食うかとしばし眺める

落葉は秋より多き常緑樹くすのきくろがし寺を埋める

階を覆う落ち葉を踏みしめて明日は掃かねばと庫裡へと帰る

パン焼のため早寝をしたる真夜中にフクロウ来鳴きて声に起きだす

半月が見下ろす空のほの明かりガレージの鍵穴キーを差し込む





どうだん【 2010(平成22年)5月号 】

猫二匹たわむれ遊ぶ宿にきてマニスにまさる猫あらめやも

いまさらに悲しむ齢にあらねども庭に埋めし気配はつよし

マニス果て畳替えなど試みて残り毛も見あたらぬ家になりつつ

満開に咲いた桜も年経りて朽ち果てつつも蘖育つ

孫生えの桜が開く季節来て寄り添うごとき朽ち木の黒し

八月にインドへ行こうと思い立ち期限の切れたパスポート見る

だれからもどこからもまた伝わり来ぬこころ閉ざせる友の近況

味噌一と黒砂糖一の割合で鍋に炊き込み味噌ジャムつくる

味噌ジャムのやや柔らかなるに工夫して擂り胡麻加えなめてみるなり

自家製のパン作りには朝の二時起き出して走る四十三キロ





どうだん【 2010(平成22年)4月号 】

狭い庫裡開け放った空間を駆け抜け駆け抜けみせる黒猫

黒い毛の長い尻尾の先までをこすりつけてはもの伝えたり

留守の間に孤独死させてはどうしよう思い思いてパンを焼くなり

痩せ落ちてまだ艶消えぬ毛をなでてやるマニスの喉はごろごろと鳴る

小水を床に漏らして蹲るかろうじて歩む黒きかたまり

昨晩は朝までソの字に並んで寝たり背骨の突起撫でて哀しむ

二昔落葉の頃にやってきた黒きいのちが初春に散る

二分前顔持ち上げたぼくの目を見つめた瞳が光失う

見上げては花がつおくれという甘えた声も耳朶のなかのみ

麩のごとく軽く固まる黒猫の亡骸抱いて庭を見せたり





どうだん【 2010(平成22年)1月号 】

握り込んだ幼児の手にもそっくりの楓の葉っぱ庭を埋める

山はいま木楢や橡の葉散り敷いて七十路のわれ覆われてあり

団栗のつやっと光るを取り上げて食えぬものかと眺めたりする

大日如来の見下ろす位置にわれもいて見上げる位置に猫もいるなり

一昨年トタンの屋根に葺き替えてカーンと落ちる団栗激し

二上山の手前にお椀をふせたよう耳成山にピントを合わす

夕景にかすみはじめた耳成山沈む夕日に墨ます二上山

本堂の釘の頭が飛び出ては危なかろうと金槌で打つ

老境に入りたる故か気持ちだけ体は応ずる気配もみせず

阿弥陀からも閻魔大王からも電話きたかのごとく受話器置く日々





どうだん【 2009(平成21年)12月号 】

彩という孫娘あり怪魚飼う魚名は蛇太郎蛇次郎蛇三郎

水槽に身をくねらせて怪ひかるまだ見ぬ魚の媚態あやしく

墓参り見上げる宙に鉄路あり徳島本線列車通過す

眉山の流れ昔と変わらねど見覚えのひともなき生地墓参りする

風になって流れていますという歌を思い出しつつ墓参りする

霊力の強かった祖母必ずやものいうならんと心澄ませる

数珠をくる信仰の手にしわしわと経読みながら寄せ来たるもの

坊主なり剃りつつ剃らねばどうなるか銀髪なのかごま塩か

横笛を手のひらに乗せ飛翔するわが魂の冷めたる熱気

なよたけのかぐやのごとく飛翔したき思い抱えてパン作りする

洗濯すひとつひとつを取り出して家内のショーツこわごわと干す





どうだん【 2009(平成21年)10 /11月号 】

白糸で蝙蝠傘に名前書く木綿の針の似合はぬわが手

南無大明神唱ふるうちに舌もつるつまづくごとに数珠くりなほす

早足で行者は歩くものならん手合はすひと目尻に捉へて

行者とは物言はぬもの歓談は裸になつて風呂でのみする

日毎する施餓鬼の味を覚えしか山鳩はくる読経の声に

供養とは佛さまとのままごとかとりかへとりかへお経をあげる

かっこうの声まろやかに聴えくる間のとり方のあのゆうゆうと

かっこうの鳴き声始めて耳にする山林静か留まりてあれ

碧落の吸ひこむ如き森の空烏さかんに何事かいふ

鶯の声聴かぬ日無くしみじみとここにくらせり共生の浄土





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2017年10月12日 (木)

奴隷の韻律とはなにか

奴隷の韻律とはなにか

             山内宥厳

 遂に、新しき詩歌の時は来りぬ、と島崎藤村が藤村詩抄の序文に書いたのは明治37年のことであった。万葉集以来、和歌、俳句、川柳などに親しんで日本人が行分けした詩を西洋の詩に触発されて書くようになった、その先駆けが藤村詩抄だという自負が感じられる序文である。

 藤村詩抄の詩の多くは後に小野十三郎が「詩論」で大きく打ち出した、「短歌的なものに対する一貫した抵抗の姿勢、、」で嫌悪した「奴隷の韻律」七五調で書かれている。

 小野の短歌的叙情の否定というのは、七五調に対する生理的な嫌悪感で、七五調の韻律で作歌する日本人の習性には、詩人としての視座、社会や自己の存在に対するメタ認識、批判精神が欠落して、流されるままに七五調の韻律で目先で捉えた風物を書き連ねる短歌的視座、短歌詠の習性の救い難さに向けられている。

時代の体制に無批判に迎合して、自己の置かれている場に闇の深淵があることにすら気付かぬまま七五調で風月を愛でる、そういうものは詩人などではないのだ、というのが小野十三郎の憤りである。

 藤村詩抄もほとんど七五調の韻律で歌われている。

 その後に多くの翻訳詩も出されたが、上田敏の海潮音にしても七五調の韻律に乗せて訳されているものが多い。ヴェルレーヌの詩も小野のいう奴隷の韻律の語調で訳され、君が代に感涙にむせぶ日本人の精神性にマッチして愛誦愛読されて来たのである。

 上田敏の訳は名訳であるが、音韻では五五五の歯切れ良い語調で抵抗なく日本人の心情に沁みてくる訳し方である。

落葉

            上田敏 『海潮音』より

秋の日の
ヰ゛オロンの
ためいきの
ひたぶるに
身にしみて
うら悲し。

鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。


げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。

 たくさんの人が同じこの詩を訳しているが、永井荷風の訳だと

  秋の歌
秋の胡弓の咽び泣くもの憂き響きわが胸を破る。

鐘鳴れば、われ色青ざめて、吐(つ)く息重く 過し昔を思出でて泣く。

薄幸の風に運ばれて、 ここかしこ、われは彷徨ふ落葉かな。

      「永井荷風訳・珊瑚集―仏蘭西近代抒情詩選」(岩波文庫)
 同一の詩の翻訳も訳者がかわればおよそ様相を異にしてしまうが、短歌的叙情と小野が断ずる短歌の表現も現代詩の自由詩のような口語で詠ずることも、言葉にやや長ずれば自由に書き表すことが可能である。

 だが五七五七七というこの短歌の形式に則って書かずんば短歌にあらずという自負をもって作歌するのが歌人というものである。この自負を容赦なく叩くという形で小野の短歌的叙情は書かれる。

 藤村詩抄も七五調の韻律に支配されて、語呂よく愛誦すべき詩歌として呱々の声を上げたのだ。詩は青春の文学である、などと分明した口調で言われることもあるが、藤村も詩抄の出版後間も無く詩から離れて小説に専念する。

 あの韻律のなかでは描きえない突き上げる思想の欲求が、詩から訣別することになった理由であろう。
 人生の重圧を深く洞察し表現しようとする知性の要求に短歌的な奴隷の韻律では応えられないと判ずるのは、長編小説を書いた藤村ならずとも、時代に生きる欲求する知性の帰結だろう。

 短歌世界のボキャブラリーの貧しさや、花鳥風月を詠じて侘び寂びを嗜む茶人のような有り様では、人間は写せないのである。

 小野が短歌的叙情の否定とか、奴隷の韻律などと短歌的世界を評して激しい口調で論じたのは、明治維新以来、奔流となって流れ込んで来た西洋の精神文化、哲学や文学思想と無縁のところで、瑣末な生活の端々を詠じて、茶を点てたり紫煙を燻らせているような鈍感さに、詩人としての批判精神が嫌悪感を募らせたからに他ならないのだ。

 小野は「短歌的叙情」という詩歌論のなかに有名な「奴隷の韻律」をはじめ12篇の短歌についての論を書いているが、歌人からも反発や反論があって、短歌研究誌に、斎藤正二の批判的応答文も掲載され、これに応ずる手紙も「この短歌的なもの」という文で発表している。この当時の斎藤正二はまだ若い頃で、「斎藤君、私があなたに申しあげたことは平凡なことです。
詩でも短歌でももっと自分の生活にひきつけて考えましょうと云うことです。」と書いているが、小野はこう書いている。「あなたの短歌の音数律への愛は一つの生活実感であって、それによってあなたが生きがい感じているものだとすると、それを頭から否定し去ることは私にはできません。
そういうあなたに私が云えることは、短歌一般を奴隷の韻律と極め付けることではなく、私が実際に一篇の短歌をよんで、そこに奴隷の韻律を感じた場合の私の実感だけであります。」といようなやりとりを交わしたりしている。


 短歌的叙情の否定とか奴隷の韻律というような否定的な論が歌人の前に跳躍すれば、歌人にとっては面白からぬ礫を投げつけられているわけで、反発には論で応じることもできるが、小野の前に奴隷の韻律ならぬ短歌世界を展開させることが、最大の反論であろう。
 1946年に桑原武夫の「第二芸術論」が発表され、俳句が第二芸術だと断じて論争を巻き起こしたが、詩歌にしても散文にしても素人と玄人の区別が付けがたいのは、人間の技でなすものには、どのジャンルにだってあることだ。万葉集に収録された和歌にも、玄人と云えるかも知れぬ有名な歌人から無名の庶民まで幅広く集録されている。

 小野の短歌的叙情の論にも、桑原武夫の第二芸術論に通じる短歌を貶した見方が共通していると云えるだろうが、論ぜざるを得ない、無視看過できない文学精神の在りようを桑原、小野両者は云おうとしていたのだろう。坂口安吾は短歌俳句に第二芸術などという評価を下すことをナンセンスとしているが、桑原や小野の論について短歌や俳句、ひいては日本人の美意識について意識を持ち、美学することが、短歌を書こうとする多くの人がより深く環境や自己を観察して、批判精神を高めることに資すると私は考えている。

 小野が奴隷の韻律とまで云った、五七五調とは何か?

 短歌は三十一文字の短文詩であるし俳句では一七文字で超短文詩であり、この短詩になにを盛り込めるのかという問題だが、短歌は五七五七七という韻律を約束事としてきたし、俳句は五七五に季語が必須などという不文律があって、これを踏まえて生活のなかの感興を書き綴ってきたのである。

 七五調というのは、語呂良く流れるリズム感があって、五が六になると語感が淀んでしまう。五ではひっかからない流れが六になると淀んで流れない、そういう感覚が働くので、字余りとならないように言葉を身体のリズムで感じながら七五調を書いている。

 最近のFacebookに知人のKさんが猫のことや身辺雑記を俳句か川柳風に七五調でいろいろ書いていたので、どういう心境なのかなと思いつつ読んでいたら、つい最近の書き込みでは、(調子に乗って色々詠んでたら、ふと気づくと思考回路がすっかり五七五になってしまっていることに気づいた驚きを詠める)   

   恐ろしや 我が脳侵す 五七五
というのをアップしていて、苦笑したことであった。

 七五調でものを書くことに慣れてくるとつらつらと流れるように書き流す癖がついて、日常語であっても七五調の文脈で流してしまえるような癖がついてくるのである。Kさんがいうよう脳が侵されるとも云えるので、こういうことを小野十三郎は奴隷の韻律と表現したのであろう。


  奴隷にはなりたくはなし自由にはなかなか書けず歌に苦吟す


 これは七五調でいま一分もかからず書いたのだが、こういう作り方をするなら一晩で百の短歌らしいものを書くことは簡単な技である。
 短歌で哲学思想や人生の深い暗部をえぐるようなものが、滔々と流れるように書けるかどうか。短歌は奴隷の韻律という言葉を蹴返すだけの短歌というものが存在しうるのか、自分にそれが可能かどうか、などと考えてみるが、それは現代詩や散文で取り組むほうが賢明そうだ。

 日本の近代詩や現代詩は明治維新から以後に西洋文学の影響を受けて書かれるようになってきたので、藤村の詩集も七五調の韻律で、三十一文字を無視した行分けの形で書かれているのが多く、同時代やそれ以後の詩人や小説家の詩も翻訳詩も七五調に文語や漢語を入れて書かれたものが多い。

 七五調のリズムは古い日本人の音感として、谷川に流れるせせらぎの音のように、人間の生理に抵抗なく受け入れられるリズムなのであろう。いまでは歌うひともいないが都々逸なども短歌の韻律で歌われ、これらを忌避して奴隷の韻律だと批判するのは、人間の実態を見詰める詩人の批判精神には受け入れられないからであろう。

(2016年春に短歌誌「どうだん」に発表したもの)



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2017年10月11日 (水)

楽健短歌 筧ミツル

楽健短歌

筧ミツル

2017/12/02 松前旅館楽健法講習会で詠む

あふれだす言葉をリズムのごとく書にしたし
褒められるような 良き字ではなく



2017/12/01 投稿

高き空より月見下ろして影落とさん家路辿りし我ひとり

鉄板のコテ返す度ドヤ顔の満たされし瞬間(とき)を相伴しけり

紅き葉を落として冬に備えるか堤の桜枝なよらかにして

若きこの子らに我ら残せしは核のゴミのみか廃棄案なきままに作りしもんじゅの唖然

師走深夜窓開け放して冷たき部屋に着重ねのダルマとなりぬ白き息吐きて



2017/11/16 投稿

我は正しと言い募りたし何事に依りても己に信なき故に語気さらに強めて

きっぱりと言い切る裏に確信のあったためしなし語り終えた後の空白に弱さほの見え

その弱さ見せる相手に選ばれしことなにやらうれし何度でもいつでも来いやと別れ際にかけた一言

我にしても弱きままにいる強ささらさらなく迷える彼らとただ共に迷い居るのみ

答えなどないこの世だと気づきし夜放り出された同胞の彼らあること有り難し

    2017/11/10 投稿

甘柿の取り残したる実二つメジロ家族の朝餉に供す

僅か一泊息子の旅二匹の猫伴いいつまでも朝寝す

何一つ急かれることなし引きとどめるものなし深く息す

啄みて皮一片ぶら下がる柿の枝良き日の始まりか満腹のメジロ

余念無く身づくろいするジジの傍跳ね起きて行く素のまま

  2017/10/30

雨音の漏れ聞こえくる暖かき室で万歌読み耽りたり午餐忘れて

足裏にこだわりと映る肉塊をお日様となりて踏みしだき居り

花愛でる人の足にて踏み固められし秋篠の堤走り行きけり

人にせん言葉なりきと思い込みしがその悉く我が為なりき

安心は決意なりと今思う傷つき易く居てなお心開くために



   2017/10/19

全身に日の光浴びてストレッチす足元に猫寄り添いつ

歌つくる不思議也やと常思う彷徨う我をじっと見る我あり

鏡の中の茫々の髭面眺めつ一体何処の爺いかと想う

うごく心字に表しきときすでに失われて作為溢れし自らを恨む

雨の中合羽着て走る銀輪の上ただ一人なりフードに覆われて

   2017/10/13

気がつけば13日の金曜日なりただ特別の日と思われて心浮き立つ

秋の蚊の冷え込みしときこそ煩さきは命のバトン渡す覚悟か

笛吹きて我笛となるその先は音のみ残りて聴くものもなし

公園に遠足の子らの戯れし聲重なりて我の瞼を満たしたり

何故に起きんとデスクの書類片はしから噛んではちぎり吾睨むジジ

  2017/10/12

若き友のまっすぐの瞳にスイッチ入りたりカフェのマスターの饒舌

悉く我の世界に起こりしは我がものと思われて我満たされぬ

時を経ていつまた出会うあてもなし今日を限りとことさらに思う

無音となりし教室の椅子に独り居て心のほのお静まるを待つ

今度こそ棄てむと思うバスタオルを色とりどりの糸にて息子繕いき

  2017/10/11

城跡に潜みて取りし真夜中のライト浴びたる割れ柘榴かな

燻りて二度爆ぜたるや黒ダイヤ艶光りして薫り芳し

裏山に鳴き重なるや蟋蟀の声静まりて闇なお深き

傍らに猫二匹待つストレッチ息深くしてさらに終わらず

銀輪のペダル踏む脚なぜにや重き昨日の疲れいやおとといの残念

  2017/10/09 投稿

何の為もなし出流る言の葉記せば今ここにいる一瞬(ひとときの)証

ぐるるぐるると傍らに佇みし小夏の喉音夕映えの庭のだんだんに暮れ

一人望みて隠れし裏庭に間も無く集まりし家族全員

とおの昔に得心したはずの悲しみをむし返したり満月の夜に

日に何遍となくほとばしる繰り言理解らぬままただに寄り添う

午前0時と午後12時が同じ時刻と知り驚き喜ぶ子ら気づきの一瞬

教え込んだからといって受け取らぬ子に罪はなし通らぬ喉に物詰め込む教育の非常識

側から見れば中年男と老人が重なりて眠る異様さ永遠の幼子と父に過ぎず

縦書きの良エディターを得て水魚の如く泳ぎ出したり言葉言葉

d6577とジジが打ちしキーボード真夜中の発句となれり

2017/10/08 投稿

汗滲ませ走る銀輪の路ぎわに黄金の稲穂はや刈られゆく

午後餐にとたっぷり買いしパンの山残らず子の腹に消え

曇天の朝ふと息苦しさに目覚め居り二匹の愛猫我に重なりて

疑わずに人を見る事もはや叶わじ裏読む癖つきし顔顔顔

無残にも虎刈りになりし茫々の庭の葉叢に紅き柿の実一つ




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筧ミツルさん 2017/10/26撮影




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東光寺山の灌木の冬姿です。

2017年10月10日 (火)

楽健短歌 中尾佳那恵

 中尾佳那惠

中尾  佳那惠さんが 300首を超えてからの投稿です。

               2017/12/14 投稿
もういいかと短歌作りを投げ出した我の内鈴鳴らす相棒
将来の考古学者はオカッパで傘棒顎に握手に応え
手裏剣のレプリカ持つ児傍らに用心棒のデューク東郷
別れ際ハグ泥棒の暖かさ胸に纏いて寒風に向く
これまでの過ち全て棒引きにして余りある穏やかな暮れ

               2017/12/13 投稿
阿闍梨より藪から棒にお題出て短歌うらめし舞う粉雪よ
ギャル好きと言わぬが花の楽健棒マジな活用可笑しさこらえ
これ正に本家本元お墨付き励む心は鬼に金棒
初めての和尚のセーター姿から辛棒重ねし青年みたり
編み棒の数だけ恋をしてきたり未完のセーター師走断捨離
 


     2017/11/22 投稿

ニョロニョロは誰の中にもあるニョロよたまにはニョロの言い分聞こか
ニョロニョロを一皮剥いてよく見れば意外と可愛い顔してござる
損得を考えてるとニョロが出て心すり減りニョロニョロニョ
久々の聖とランチにショッピングお財布持たずにちょこっとニョロリ
ニョロよりももっと怖いはベットリロ油断めさるなベトベト沼に


           2017/11/18 投稿

いらっしゃいカマドのおこげ食べたけりゃ噛めば噛むほど強くなるから
ご主人は臭いのですかと問われたり周り見渡し我が亭主だけ?
いらっしゃいカマドのおこげ食べたけりゃ噛めば噛むほど強くなる
楽健は妊婦の味方心身をゆるゆるにして産前産後
発したる言葉と真意違う事山羊飼う人に教えられたり
真実は一つなれども万通り受け取り方は自由自在で


           2017/11/18 投稿
秋 どうしても子が欲しいのという女(ひと)の臀部鼠径部踏む秋の暮れ 遠路より同士来たりて秋喰らい技みがきあう嬉しかりけり 秋の客和尚のカレー作らんと材料揃えはてSOS 電車待つ隣の他人と秋のせい夢を語りて握手で別れ 松茸の香りばかりを頂いてスーパー3軒はしごする秋 2017/11/10 投稿 すぐ怒りすぐ諦めてすぐ忘る歳をとるほど増すスピードよ ベランダの干し柿越しにまさか猿訳判らずににらめっこする まず蒸してオーブンで焼くこの手間を黙して省かずツレの朝 重曹の洗濯講座我が家にて主催するなりまず一歩から 連れ合いの緑寿で初の年金かちょっと豪華に松茸にする? 2017/11/05 投稿 新しき歌友の歌くりかえし口ずさむうち柚子の実熟れた オマージュとパクリの違い調べたり友に恥じない歌詠みたくて 歌友と書いてはふいに恥ずかしや片思いには馴れっこの我 少女から恋の相談されたれば我が失敗を勇て語り だんだんと化粧のままに眠る夜が多くなりけりもう正月だ  中尾さんが300首に達したという纏めを送ってくれましたので差し替えて掲載します 2017/3/16     01 雲の人宥厳和尚の眉をそりハイテンションの帰り道かな 02 シャンソンの大先輩に魅せられて虎視眈々とさらなる高み 03 がらんどう色は匂えど深すぎて教養のなさ身につまされる 04 脈診で先生の歳18でわたしゃ16番茶も出花 05 詠むほどに不安深まる春の夜未知なる叡智さあ目覚めなさい 2017/3/17 06 お茶花を矯めつ眇めつ見たならばなんともゆかし 襟足あたり 07 不機嫌な主人の小言聴き取れず異星人かと疑ってみる 08 春待てど長患いの母が逝きたまの休みに行くあてもなし 09 褒められて瞑想中も文字かぞえ悟りの道よさらに遠のき 10 飲尿と短歌始めし我が妻にとうとう来たか腹くくりたる 2017/3/18 11 ありがたや和尚のどアップ待ち受けにどんどん浮かぶ三十一文字が 12 なけなしのヘソクリはたきリノベーションおれおれ詐欺に振る袖も無し 13 通夜が明け記憶の中にない母にありがとうねと呟いてみる 14 ちょろいものお願い事をする時は大好物の皿ならべつつ 15 あなかしこ君が心のがらんどうわが心にも鈴がなるまで 2017/3/18 16 いい事を思い付いたと電話して折り返されて中身忘れて 2017/3/19 17 インドまで英語が喋れますようにいつのまにかと足す夢日記 18 くそくらえ 母の日なんか大嫌い 幼き我を 抱きしめてやる 19 あの日から 何も変わらぬ 君なのに ごめんなさい ね 跡形も無く 20 私には 何も残さず 逝く母が 孫に遺した 光明真言 2017/3/22 21 ひらめけーと待ち受けの僧の顳顬に人差し指と中指をおく 22 あぁわたし夢の中でも探していたよ私の中の鈴の在り処を 23 摘みたてのオリーブオイル食べさすと島の日焼けた同級生が 24 結局は別れ話をしていてもその眼差しが好きだったから 25 病室の夕暮れ時の寂しさはネットサーフィンしていてもなお 26 まだ抜けぬハリーが向こうにいるようで扉をそっと押し開ける癖 27 風呂場まで追い掛けてまで叱ったら黙れクソババ怒鳴られて泣く 28 断捨離で出てきた古い日記帳貴方に貰った花びらハラリ 29 何処にいて何をしている人なのか逢うべき人に逢ってない気が 30 ロンドンの下町あたりに住もうかとエアプランツにうそぶいてみた 2017/3/23 31 母の町街路樹の道右側にプラモデルのよな潜水艦 32 帰還した最後の少年飛行兵を母の心で楽健法ふむ 33 友も又季節変われば必然と似合わぬコート脱ぎ捨てるよに 34 還暦で名前を佳那惠に変えました名付けた人はもういないのだし 35 おとうちゃん修学旅行も行かないままに大人になったよ紫陽花好きの 36 ぐぢゃぐぢゃになっているのか腹の中久方ぶりの難病の我 37 我が父は貧しかったの墨汁も絵の具の白も買い与えずに 38 愚痴ポロン嫌いな人が多いよね娘に言われ言葉失う 39 碧の海 阿多田島から大竹市まで舟で通学していたと聞く 40 ルルルルル ルルルルルルル鳴り止まぬ許してあげよかあげまいかな 41 もし仮にあぁもうやーめた何もかもふいに私が言ったとしたら 2017/3/24 42 誰にでも埋もれる才能あるならばパーカッションを習ってみようか 2017/3/30 43 これまでは反面教師これからは目指す背中に唯前を行く 44 灯り消し湯舟で両耳を塞ぐとね確かに生命の音が聞こえる 45 狂いそう人が私を視るように自分の顔は一生視れぬ 46 桜待つワクワク感を押しつぶす杉と檜の生命力が 47 好きな人必要な人邪魔な人色々あってかけがえのない人 48 いつのまに我が身3人夢叶い我が儘気まま自由自在に 49 印度にはもう何回も行きました妄想の中弟子を気取って 50 毎週の年間予約のお客様寝姿まさに布袋様なり 2017/3/31 51 谷君がいつもご機嫌その訳はぐっとハードル下げればいいのと 52 切り花の銀を塗られし柳の枝今や川辺の大木となり 53 開店の祝いは何も要らないと言うひとり子に我が墓買おう 54 門前の川辺に植えたさくらんぼ今年もヒヨの腹満たすのか 55 我が姉は芸術家なの今も尚妹ふびんと絵で応援す 56 未来より苦しき今を眺むれば短歌のネタに今はもう過去 57 楽健を習いて来たぁースカウトが新天地での出逢い嬉しや 58 縺れ行く己が心の訝しさ頼りたいのか頼られたいか 2017/4/3 59 老人よ大志を抱け堂々とくれない病の処方箋なり 60 厳島石垣碧く苔むして見上げる桜まだ三分咲き 61 人は皆最期に想うただ一つもっと素直に生きれば良かった 62 ぎりセーフ人生ゲームリアル版そればっかりでどうにかこうにか 63 なんたって軽く明るく温かくそこが良いねとあの人も言う 2017/4/4 64 大事です九紫火星の私には自信しかないこのフレーズが 65 ラベンダーベルガモットのブレンドが険しきを行く旅の相棒 66 雨上がり極楽寺山碧々と心の内を見透かすように 67 いちご狩り勇んで友と沖見町5分も経たずもう腹一杯 68 八幡川大吟醸の酒かすが仕事終わりの心身満たす 2017/4/7 69 嫁に出た娘の残したダンボール開けて恨めしキムタク笑顔 70 難病の権利を放棄いたします選ばれし者の特権ならば 71 レンギョウとユキヤナギがね乱れ咲きどちらも負けず嫌いなのかな 72 五分咲きの桜並木が雨の中ただ粛々と悲喜交々で 73 この身体日々衰えどこの内は日々新しきを求めてやまん 2017/4/10 74 「ななちゃん」と人形相手に話す人待合室で声響きたり 75 奥歯抜け2つの自慢が1つ減り踵の柔さ見せる人無し 76 健気しか言いようもなしスパ羅漢すっぽん鍋の安さ哀しや 77 散り際の日暮をまね終活へ散った後こそ尚美しく 78 朝メシは僕が作ると言った人マンション買ってで顔色変えた 2017/4/12 79 貴方から期待されても困るけど希望と言われ励むしかなし 80 あの人の話を聞くと胸悪く慇懃無礼にギアチェンジする 81 帰途につきご先祖様の骨壺が泥に塗れたままが気になり 82 笑えます結婚写真はちんどん屋お貸ししましょか死にたい夜に 83 直系で10代前は千余ひとり位は聖子を護って 2017/4/13 84 確信す歳をとるのも悪かない明日の5時起き朝メシ前じゃ 85 眼鏡かけメガネを探す阿呆らしさ小さ過ぎるぜ約款の文字 86 今日も又13人でおしまいかもっと踏みたや楽観法で 87 弾けたいズンバのリズムノリノリで前の人生ラテンの人か 88 嘘でしょう甘えたかった本当は星空眺めふと気が付いた 2017/4/18 89 さようなら忘れなけりゃと想うほど執着心がべっとりべとり 90 始めるに遅しはないを間に受けてパーカッションをついに習いし 91 月光が今夜はやけに眩しくてあれこれ想い寝返りをうつ 92 明日には生きるか死ぬか5分5分の絶滅危惧種ホモサピエンス 93 お隣でスナップエンドウ頂けば急いで湯がき聖に電話す 2017/4/19 94 カラカラと弁当箱を持ち帰る貴方を待つ日々夢にみていた 95 魚屋でオコゼの顔を視る度に父の好物だったと想う 96 オランダでひと抱えものチューリップ100円也と聞きて羨み 97 姉さまと街でワッフル食べながら母が亡くなり寂しいかと訊く 98 不謹慎新月の夜の願い事素直でいいじゃないのと思う 2017/4/27 99 聖と居てたわいもなきを可笑しがりツボにはまりて涙ちょちょぎれ 100 紫陽花の蕾の群れを庭にみてほったらかしで許してと言う 101 この世での心残りがないように苺に練乳たっぷりつける 102 我も又あの世とやらに逝く時はやっぱり父に迎えて欲しい 103 処女の頃我を生涯養える男探してぎらぎらしてた 2017/4/29 104 サクラ散り父の享年過ぎし今声を無くした父の声聴く 105 干す前に洗濯物を畳む癖教わらずして母を真似てる 106 しんちゃんと言う名の隣の板場さん下駄の音さえ初恋の人 107 たらちねの枕詞がぴったりになりてようやく人らしくなり 108 ほっといて決して美人じゃないけれど声がいいねと上から目線 2017/4/30 109 尺差しを手にした途端鮮やかにシュルシュルシュルッと昔の杵柄 110 わしゃほんまほんまほんまの2語だけで愛を与える凄い人みつけ 111 汗だくで倒れるように寝た朝も晴れやかな顔眠るが大事 112 出稼ぎで22時過ぎ帰る道睡魔待ち伏せする2号線 113 人は人妙に納得する言葉今日は貴方が諭してくれる 2017/5/2 114 大好きな自分になるが夢でしたはしゃぎ過ぎなきゃいい線いくかも 115 広告の紙でゴミ箱つくる君世界でたった一人のハグ友 116 作業服衿と袖口グシュグシュとこの瞬間(とき)だけは妻らしくあり 117 ご近所で八重のドクダミくれた人今はホームで達者でいるか 118 腹くだし白がゆの中赤い梅たまにはいいね日本人なら 2017/5/8 119 足の爪真っ赤に染めて湯に浸かりゃあの夏の恋よみがえる 120 なんだかな五月生まれのプレゼント母の日込みの赤い花束 121 エレベーター母に抱かれし赤ちゃんとにらめっこして変顔三昧 122 赤ワイン今夜も歌が詠めなくて飲めない酒の手を借りてみる 123 黄昏に口説かれたなら何処までも付いて行きそな寂しさ消えず 124 さつき丸女房の名前付けた人たった2年で黄泉国人 125 朝バナナ脚つらぬかと昼バナナ締めもバナナで出稼ぎの日は 126 黄砂ふる屋根にたなびく鯉のぼり大口開けて咳きこまぬかと 127 頂いたそら豆トマト新玉にパプリカの黄を添えてハッピー 128 顔色の悪さにギョッと嫌な予感言わぬが花よ優しく笑おう 2017/5/16 129 ユーチューバー金食い虫の捨て猫が今じゃツレより稼ぎ頭に 130 何事もなかったように柚子の花今朝早々と咲きはじめたり 131 営業に弱い亭主の尻ぬぐい何の因果か南無阿弥陀仏 132 流れ来し日見の大佛仰ぎみて佛の意思に圧倒されん 133 急停止母の形見の呼鈴がコンソールの中祈って鳴るよ 2017/5/20 134 面倒な聖が旅行に出たとたん楽しんでるかとメールしたりて 135 陽の様あなたに付いて行けません唯ただ陰に向かう私は 136 大丈夫何を成そうと成すまいと生きてるだけで丸儲けなり 137 何処にある阿闍梨の舌をうならせる少年の日の柿の実恋し 138 朝ルーティン阿闍梨のツィートチェックする三日坊主が飽きずに続き 139 マニスって足裏すべて黒いのか阿闍梨の詩集よんでて想い 2017/5/22 140 ひたすらに無駄口きかず聴く事が出来てやっとのセラピストかな 141 孫さんの思うがままの日本人無料の飴と約款の鞭 142 薔薇の花スガタカタチを競うより香りで誘惑して貰いたい 143 待ちうけを40代に替えました見透かした目のニヒルがいいね 2017/5/23 144 マニスをね矯めつ眇めつ眺むれば師の好みなど判る気がして 145 お休みに今日もご予約入れたりて明日も出稼ぎ8時間踏む 146 もう何も捨てる物など見当たらぬそろそろ探そう愛すべきもの 147 戸惑いは脱ぎ捨てちゃったものたちを拾い集めて短歌詠むこと 148 紫陽花の枝を短く切ったので小振りの花がポンポン咲いた 2017/5/28 149 宥の字と厳の字の意味調べたりなるほどそうかイマサラデスガ 150 この私50になれば落ち着くと言われた50はとうに過ぎたり 151 スーパーで買わぬ野菜を投げたひと浄玻璃鏡に後悔遅し 152 あぁ誰か別れる術を教えてよさよならだけが人生でしょう 153 真白から頬ほんのりと紅に山あじさいよお見事ですね 2017/5/29 154 こんなにも心惹かれるスズランや強い毒性あるというのに 155 どうしてもカーネーションは嫌いですお花に罪がある訳もなし 156 お休みの前の日だけはニンニクをたっぷり使うメニューを選び 157 本当に今の自分がしたい事出来る事かと常に自問し 158 こっぴどく貶されたならその10倍誉めてくれそな貴方にダッシュ 2017/5/30 159 大欠伸すれ違いざまオジ様にあごが外れてしまいますぜと 160 勝手口夕暮れ時にミャウと鳴く手のひら程のあやうき命 161 手を伸ばしすくってみようと思いきや陰に隠れし親猫子猫 162 無理なのよウチに5匹は恨むなら私じゃなくて亭主にしてね 163 是非も無し両親共に末っ子のその末っ子は愛されキャラで 2017/6/2 164 長崎の土産話に盛り上がり行く当てもなき宿の名メモって 165 テンボスのバーチャルめがね恐ろしや脳は誠にお馬鹿さんだね 166 一年にたった一度の贅沢に庭の紫陽花山盛りに活け 167 トイレには八重のドクダミひと抱え君にみせたや水無月の事 168 夜明け前寒さに目覚めふとみれば窓よりそそぐ母なる明星 2017/6/4 169 髪のため地肌のためと我慢したパーマをかけし梅雨入りの午後 2017/6/9 170 主人には内緒にしとこデパートのトイレに忘れし買い物の事 171 今日も又稼いでくるからドンドンと使って待てというはずも無く 172 頂いた梅を漬け込みようように梅雨入り支度した気になりて 173 長雨の音聞きながら散々な恋の事など思い出したり 174 楽健で人は本当に痛い時笑うの心これいかに 2017/6/14 175 極楽じゃ仲間にオイルマッサージして貰いつつあるある話 176 介護士にフェイスエステのボランティア見学したいと目を輝かし 177 杏ジャム作る前から唾液湧き喜ぶ笑顔先に頂き 178 ここんとこ何かいい事あるようなそうじゃカープがあるじゃないか 179 右向きて左を向かば茗荷好き閃いた歌さらりと忘れん 2017/6/15 180 ブーツから一気に下駄へ衣替え鼻緒の柄は緋の江戸小紋 181 さりげなく夫の事と妻の事話題にのせず距離を測りて 182 身内では60分が辛いけどお客様なら2時間楽勝 183 手作りの味噌の話に飛びつけど仕込みの2月に志あるや無しや 184 空梅雨に勘違いしてひぐらしや相手求めてジジジジ・・・ 2017/6/23 185 余りにも柳に雨が風流で時を忘れてしばし眺むる 186 何処に行き何を食べるかそれよりは誰と一緒かあなたとがいい 187 ともすればホメオスタシス作動して膨らんだ夢バチンと萎み 188 ここんとこお一人さまが上手くなり奈良の教室迷わず参り 189 念願の奈良教室は修行の場人間力を試されん哉 2017/6/27 190 いとはんは夫婦漫才ツッコミで谷また谷を笑いで支え 191 先生にちゃらんぽらんを褒められて指さす大師にこれでいいのだ 192 駅弁を食べる様子も苦しげで隣のお方どんだけですか 193 眼の前で甘える我が子見ないふりスマホ相手に媚び笑顔して 194 テレビ断ち時間あまりてYouTubeツレが拓郎好きとは知らず 2017/7/1 195 福岡の豪雨情報眺めては阿闍梨の庫裡が気にかかりたり 2017/7/6 196 がらんどうついに阿闍梨の真骨頂拝むその日が7月8日 2017/7/8 197 たまさかのチャンスを無駄にせぬように車中瞑想耳育はげみ 198 お土産の珈琲の香で気分あげ心細さを勇気に変えて 199 17期写真頼りに皆さんと対話済ませて準備万端 200 奉納舞神様もまた美しきものを愛する存在と知る 2017/7/10 201 満月に阿闍梨の唄うかぐや姫本堂で聴き至福味わう 202 あまりにも素敵すぎるわ流美さんの車両に偶然乗り合わせたり 203 たかおさんたかおさーんがなかおさんかと聞き違え都度振り返り 204 即興でお経に合わせピアノ弾く我が広島の人よ嬉しや 205 お手本を見習いツレを楽健に誘う自分にびっくり仰天 206 世界中阿闍梨に指示を出せる人いとはん一人他になし 207 丁寧に確かめながらしっかりと踏む前にまず立ち位置大事 208 リクエスト朝夕2回瞑想の時間があればいとありがたし 209 断捨離にハマって2年人生がごきげんさまに大転換す 210 男前記述係の伸子さんミソヒトモジでどうかお許し 211 300もひねれば何かまちがいで傑作生まれないとも限らず 2017/7/11 212 素晴らしいすべて短歌で嬉しいな歌詠み仲間ついにゲットじゃ 2017/7/12 213 師にふいにそそのかされし歌詠みもこれ程自由無限はなしや 214 まほろばの友と出逢えた喜びは日々のストレスうち勝つ糧に 215 17を我のラッキーナンバーに定め生涯楽健の道 216 改築で風呂無し続き無精髭セクシーだよと教えてあげない 2017/7/19 217 みちくさと言う名の店で2人して昭和チックな会話楽しみ 218 駅ビルのスタバ神社でお布施して英気養い午後の仕事へ 219 シトロネラ憎きあいつに嫌われるボディスプレーあったじゃないか 220 不必要芸能人でもあるまいしホワイトニングを断られたり 221 露天風呂岩湯に浸かりうつむけば無駄に美し20歳の乳房 2017/7/21 222 溜め込みをコレクションだと言い張りて捨てる痛みを先延ばすツレ 223 揖保乃糸2分きっかりネギ生姜他にはいらぬ猛暑の肚に 224 名も知らぬ夏虫の音のいじらしさ命の限り届けラブソング 225 じゃんけんで必ず負ける得意技ちびっ子ギャングご満悦にす 226 拓郎の広島弁が流れてたその頃消してしまいたい過去 2017/7/23 227 梵字3つ残していった地味美人今も不幸を演じているか 228 我が愛しのクリントイーストウッド様いつも名前が出てきやしない 229 新規様ポツリポツリと身の上を話し終えたらサバサバ帰り 230 採りたてのモロコシご飯最高です芯をぶつ切り入れるがコツよ 231 あれも嫌これも嫌だという友にパン工房で修行させたや 2017/7/24 232 毎度ありそれじゃ又ねが言いたくて同窓会の幹事を務め 2017/7/27 233 私たちこれから先はどうなるの見えてしまえば立ち往生ね 234 天邪鬼気質年々強くなるツレの遠隔操作巧みに 235 2人して延命治療拒否宣言事前の記してうなぎを喰らう 236 ➑❻を間近に控え短歌詠むこの平和より守るものなし 237 夏の午後ひとりしみじみひまわりと言う名の映画観たくなりけり 2017/7/29 238 機嫌よく鼻歌うたや音程と歌詞をいちいち子に訂正され 239 宝クジ万が一にも当たったら嫌な奴らが寄りそで買わぬ 240 幸せにしてあげるって言ったじゃない信じた貴方今更遅い 241 さあ注ごうカープが勝った翌日はガソリン2円安くなるから 242 人類の他には無しやゴミを出す地球生物底なしの欲 243 ささやかに生きんとすれどゴミだけは途方にくれる程人並みに 244 ネット買いカード決済日常にされど慣れぬは過剰包装 245 もし仮にゴミが出せなくなったなら遠い未来の話じゃなくて 246 もしかしてお金もゴミに使わずば燃えるゴミとか不燃ゴミとか 247 五輪書ベッドサイドの愛読書これに勝れる入眠剤なし 2017/8/5 248 太田川その水底に眠りたる72年の声なき声が 249 居眠りて子供みたいな母親と母親みたいなお子さんと 250 車両中睡魔席巻中刷りのオコゼの顔が呆れてポカン 251 またしても乗り過ごしたる我なれど短歌のネタにほくそ笑んじゃお 252 碧と蒼東洋の知恵阿闍梨への畏敬の念を描く青の目 2017/8/14 253 男前惚れてまうやろ合気道弱気を助け唯前を行く 254 待ち遠し大麻飾りイヤリング払いたまえて清めたまえて 255 月一が癖になりそな東光寺わがまま気まま強制施設 256 教養も知識も無くてとりあえず阿闍梨の話頷いておく 2017/8/18 257 言うものか阿闍梨の背中見ておれば忙しいとは口が裂けても 258 宥の字と我の佳の字で詠む人よこれを奇跡と呼ばしめんかな 259 気が付けばつま先立ちの効用を楽健前後に語りまくりて 260 皆が皆心の中の鈴の音に耳を澄ませば願いは一つ 261 人の手で地球は破壊する事を初めて知った1945 2017/8/24 262 いたわしや短歌のネタの柳など見せたし君は床に伏せりて 2017/8/28 263 足の指折り曲げながら話す癖真似て阿闍梨を身近に想う 264 まず我が輝く命手に入れて世に広めたし楽健酵母 265 数値より匂いを嗅いで判断す何かにつけてアリだと思う 266 床材がヒノキと知りて主人どの急に愛着湧きて笑顔に 267 母のよにならぬと決めて母になり馴染めぬ母の初盆迎え 2017/9/11 268 楽健をふむ目の先に地蔵様蜘蛛の巣オーブふたつ揺らめき 269 プップップップスッ発酵種に耳をあて我が家の居心地尋ねてみたり 270 笑わない詩人はむやみに笑えないいつも静かに思索めぐらし 271 思索する術を持たざる我なれど内なる叡智に迷う事なし 272 網膜に焼き付くような雷光が911を忘れまいぞと 2017/9/22 273 曼珠沙華恋する女は罪作り言われてみたや赤い群生 274 無人駅小雨竹林上古沢道を譲って極楽橋へ 2017/9/27 275 子を憂う母と母とが高野山早すぎもせず遅すぎもせず 2017/9/24 276 早すぎず遅すぎもせず東光寺坂を登りつ意識高まり 2017/10/12 277 いとはんも人の子でした疲れたと大の字になりされるがままに 278 パン種を90gにしてごらん師の一言でふわふわもちり 279 婿殿のうまいうまいの絶賛にパン種抱いてガッツポーズす 280 きっぱりと薬を断ってふたつきに楽健パンにこの腹托し 281 人としてワンランクアップしたみたい天然酵母熱く語れば 282 焼きたてのパン切り包丁欲しくなりあれやこれやと悩む幸せ 2017/10/11 283 小池さん一皮むけば安部自民かすかな希望カオスに消えり 2017/10/14 284 大恩を返すチャンスを頂いた我が連れ合いの誇らしきかな 2017/10/15 285 将来の考古学者はオカッパで傘の柄顎に握手に応え 2017/10/16 286 特製の枝豆ごはん頬張りて機嫌麗し師の神無月 287 太古よりDNAに刻まれし音に誘われくねくねダンス 288 蜘蛛の巣に囚わる虫と言われしが我に写るは修行僧なり 289 本堂の完璧なるやセッティング最上級のこれオモテナシ 290 きらきらと夕暮れ時の傘の中そこだけ光るまんまるお目々 2017/10/19 291 夢の中恋人がいて触れ合えどいつの時代の誰かも知れず 292 友が逝きまるで実感ないままに明日は我が身と口にするなり 293 香り立つ優しい食事しておれば優しい女(ひと)になれるかしらん 294 我が病今をときめく大馬鹿とおなじゅうにして肩身狭くし 295 理由なき病となれば当然に理由なくして緩解必至 2017/10/29 296 ドタキャンで小雨そぼ降る午後なれば急ぎ帰って落花生ゆで 297 よるべなしご予約ゼロの夕暮れは過去の過ちゾワゾワザワワ 298 こんな日は花屋で見かけたモンステラ2枚もとめて窓辺に活けよっ 299 ドタキャンは神様からのプレゼント履く拭く磨くパン種おこし 300 お節介持って生まれたこの性分クールなつれに分けてやりたし 先生、やっとお約束の300首できました。 短歌と言えるかどうかは別として、その時々の正直な気持ちです。 傑作は生まれませんでしたが自分なりにどれも愛しいです。 本当にありがとうございました。

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楽健短歌 日野宥佳 

   楽健法研究会 短歌の部屋

       日野宥佳

2017/12/15 投稿

東光寺の外こそ楽健Tシャツ着「それなんですか?」と言われてみむ

友曰く、誰にも楽健魂がある、踏まれたら踏みたくなる心が

つるし柿児の両腕にかけたれば ジュディーオングの“魅せられて”かな

重曹水スプレーボトルを左手に キッチンあちこち児は拭く無心に

絵の具筆持ちて書家のものまねで“エア筆遊び”に興じる暇児

出勤前夫に児が身支度チェック「はんかち、はなかみ、ステーキ(定期)もった?」

「あのねちょう」自由に心情書けることその条件も平和の世なり

戦前は弾圧もされし綴り方 子どもの心の宇宙をひらく



2017/12/11 投稿

猫が死に嘆く婦人にオバチャンが「可愛がったんならええやんか」と

腕先をもがれたクスノキたちの道 ヒトの勝手で植えられ剪られ

カマキリの小枝にぶっさり刺されをりモズのはやにえ不思議な習性

楽健法はココロにも効くみたいと 二人のクライエントに言われ

四コマの『サザエさん』読みクククククッ 笑う児は平成'20s(トゥエンティーズ)

1分100円10分も100円でふみますと小学1年セラピストデビュー

我が研究所ロハス部門掃除局 炭酸塩なるを新たに導入

踏み友の遠方より来るとカレー食べ奈良市移住説得工作

焼き立ての和尚パンかじりて「オーマイガッ」友と三人クラスト讚美

如何にして燎原の火のごと楽健を天下に広めるかに挑戦(かに三匹)

相棒の姉さん女房50年掴んで離さぬ鬼の金棒(ぼう三本)

別れ際「ありがとう」とハグをする人生の十字路に立つ友よ(人生・よ・ありがとう)

グラシアスアラビータと歌いしの眼の奥底の光に畏れり(人生よありがとう)

あのときのあの躓きがなかったら いまのこの充実の時もなし(人生よありがとう)



11/28投稿



ひとしごと終えて見上げる朝の空 頬白一羽チョッピィーチリィー

歌詠んで内なる鈴の音に気づく それも楽健の修業きっと

夢を見た。出陣学徒壮行会。われらの息子達の行進。

嘆き怒り黙(もだ)す青春くり返す 経済的徴兵制かな

「今ここ」もいいが此方が好きである「未来を信じ未来に生きる」

とある家の食卓上のモノたちは住所不定難民状態

処方箋「細かいモノこそ定位置に」 住民登録こつこつこつこつ

「一仕事一片づけ」が主義なれど五仕事ほどして一片づける

踏み友が赤子負ぶいて吾が唯蘊 じんわり踏めば深部まで効く



2017/11/27 投稿

弁当を携え徒歩にて公園へ 半日過ごし散財回避

初冬の樹々に集うヤマガラの忙しく翔び交う音も立てずに

雨の中ターザンロープに興じる児内なる野性の目覚めぬるかな

雨の中野鳥の声を聴き瞑想内なる知性にアクセスしてみむ

雨の中東屋の夫は水筒のコーヒーすする内なる惰性で

雨降りて三人ぼっちの公園で歌う「てのひらを太陽に」を

てのひら踏み廃線ローカル血管に血が往き末端細胞歓喜

受戒の日四天王寺で習いしは 痺れた足の対処法なり

大腿筋腹筋背筋鍛えれば足に血が往き正座ラクかな

護摩焚きの読経十数回に備え 痺れぬ正座の研究しをり

宿題の“あのねちょう”を機嫌よく児は書き終えて父母も安堵す



2017/11/26 投稿

土曜日の朝の不機嫌の原因は「とうさんといっしょにすうどくしたかったもん」

「“あのねちょう”にかくことないからあしたはかいゆうかんにいきたい」と言ふ児

明日は公園行こうよ!青空の下で“カレー弁当”食べよう!

ついていくついていかないで盛り上がる転勤族の妻の女子会

産婦への楽健ついでに嬰児を 沐浴させたり喜ばれつつ

受け売りの骨盤体操教えたり 静養できぬ産褥のひとに

よく母乳出ますようにとフェンネルとシナモン入りの惣菜差し入れ

横綱級ほどでもないがキレてみる スマホ見ナマ返事ばかりヒトに

素っ気なく淡々として冷静な返信してやる愚痴ばかりの人に

腹黒き底意地悪さもあるニョロよ ほんとは怖いニョロよ あたし



2017/11/15 投稿

とうさんにならったチーズたまごやき うまくやけずになみだなみだ

同期生の緊急電話の用件は和尚のカレーの作り方なり

御料理の上手い魔女のワザ盗み今夜の汁にトマトを入れる

高台に移転しがらんとした役所その向かいにこども園出来

津波来る海辺の大型こども園盛り土もせず来春開園

琴の浦ゆ『カンタ!ティモール』サントラ盤聴けば胸に力湧き満つ

敵を赦し大地を謳いしギタリスト 逝きティモレストの星になりぬ

夢を見た。戦争始まる夢を見た。夢は茶色の。朝、肩凝りに。

夢は夢悪夢は悪夢現実は良くも悪くも変えられるはず



2017/11/13 投稿

おかえり!とニコニコ顔の児の手には甲賀忍者の手裏剣レプリカ

留守番中カレー食べんと児と夫三島土鍋で米を炊くなり

眠い目をこすりてヨモギトーストを児は黙して食む月曜日の朝

ごじゃごじゃ言うわりに単純な人やねと いけずな魔女に占われにけり

50年心憎き程掴まえて離さぬものは核心か妻か

「健康は平和が条件」とふ和尚のツイートに内心「いいね」と呟く

清らかに生きることの難しさ 「真実を語る」ひとつ貫けず

寒々と葉を落としたる桜の樹 澄む空の枝に冬芽ぞつきたる



  2017/11/04 投稿

「護身法で肩凝り治る」と某師匠諭す直後の顔の茶目かな

児が借りた忍者の本を見て夫 「臨、兵、闘、者」印の練習

図書館に行く道迷うわれに児は「ぼうけんみたいでたのしいね」と言ふ

図書館に忍者の本を返す児が次に借りるは忍者の図鑑

薬草と忍者と中央構造線 繋ぐ書探し図書館さ迷う

「おかあさん、きょうはちくわカレーして!」未知の味への冒険はじまる

スーパーでカレーのルーの箱裏の表示にウンザリ棚へと戻す

スパイスをテンパリングし薬膳風竹輪カレーに挑戦してみむ

DVD『風立ちぬ』の声ききて 玉葱切るなり涙耐えつつ

過去、事情、病、迷い抱えども歌詠み楽健いざ生きめやも

我が家8年憲法71年をカレーと梅酒で祝う文化の日



2017/10/31投稿

「ちきゅうがおわるのっていつ?」の問い 「誰にも分からない」と答えり


だんだんと黄色に染まる小さき手 今日三個めの蜜柑むくなり

はらわたを取らずに呟いてみたや 秋刀魚は苦いか塩っぱいかと

骨キライ苦いのキライと言われても 伝えたしや大衆魚の味

“夜と霧”に包囲されたとして尚も 吾が理性よ抱くか“光”を

前線とともに来たかジョウビタキ会えて嬉しや寒さ増すとも

2017/10/26投稿

「にんげんのプロポーズってどんなん?」と『生き物図鑑』閉じて児は問う

標識の「阪奈(はんな)」を「さかな」と読んでみる漢字大好き小学1年

1年生漢字の練習「一、二、三、四、五、六“亡”」嗚呼惜しからずや

丹波黒枝豆ご飯に舌鼓打ちて夫は土鍋さらえる

草臥れて帰宅、夕食、入浴後、バタンキューで楽健する間なし

ダンナさま軽くカローシライン越え異常が異常でないことが異常

黄昏の山の辺の路の古寺にバンスリ響く吾ががらんどうにも

タンプーリ明鏡止水と波紋とを表すオウムの音色に憧る

月曜の楽健の予約キャンセルのメール嬉しや「男児出産」と

生きもする死にもするを愛すほど 深くなりけり喜び悲しみ

吠える声走るすがたは今はなし 然れど忘れじ君のぬくもり

靄晴れて清らな大気に差す朝陽 プリズム透(とお)しクリアなる虹



  2017/10/17 投稿

楽健の友が飼うヤギは元気に草を食むなり地球のリズムで

生きもする死にもする生あるものに愛注ぐほど悲しみ深し

ヤギたちの暮らす山ある町の空 轟音火の玉なき空であれ


  2017/10/16 投稿

楽健の極意はリラックスなりと“蜘蛛に囚わる昆虫”ぞ示す

将来の夢は歌手か忍者らし児が観るビデオはだいたい「漫才」

顕微鏡あれやこれやと見てをれば「ママじぶんのかいーや!」と叱られ

東光寺からの帰路にて湧き出ずる想いと言葉「ほんまありがと」

わが留守中オニの居ぬ間にとて父子「しゃぶしゃぶ」と「モスバ」食しにけり

ハイボールと梅シロップ炭酸割りで乾杯するを「シュワる」と言うなり

これやこの食せば健康になるとふ知るも知らぬも小阪のパン

ブルータスお前もかのセリフよぎる 鉄くらい信じたかりつれども

米軍のヘリ墜つわが祖国の土に何らの汚染なしやありや

推定無罪も三権分立も解せぬ人に総理の椅子なし

“考える、人を信じる、繋がる”が ハンナアーレントの生のすがた

月曜の工房で買う焼きたてのパンを食むなり頭垂れつつ




  2017/10/10 投稿 10首

二時間めから学校に出汁の香のにおうは自校式給食なら(奈良)では

海の無きここ奈良でイソヒヨドリはホイッピーチョイチョイ清らに鳴きをり

あおによし奈良に踏み絵を踏むふたり「希望」なる風吹かすや否や

食べるのがいいのか食べぬのがいいか食の真実いずこに在りや

「旬野菜もち味いかし簡単に調理すべし」と丸山夫人は

種子法廃止で如何ならむ伝統と風土いろどるタネよジーンよ

「ちきゅうはひとをひっぱっているのに、なんでわたげはうくの?」と児は問う

児の問いに父の答えは児の知らぬnew wordのオンパレードなりけり

運動会こどもの歓声かき消して10機編隊ヘリの轟音

赤組が負けてしょんぼり1年生 心の畠耕してをり


    2017/10/04 以下4首アップしました。

駐車場「ここ、ええやんなぁ」と呟けば 「ここ『B』やでぇ!」と駐車位置を児は

「自公」対「補完党」対「立憲組」9条改正の争点鮮やか

われを寝床に誘いし児の曰く「あさをむかえるよるにいこう!」と

絶望し嘆くことは麻薬なり 夜明けの来ない夜などない


  2017/09/28 投稿

おさなごに『パパママバイバイ』読み語る母の声は涙につまりし

厚木夜間飛行差し止め裁判の勝訴の効力は米軍に及ばず

水銀神丹生都比売の加護よあれノーモアミナマタ条約発効

教育費をアメとし票とり本命は9条改憲A氏の悲願

かの国の僻んで窮鼠猫噛みの戦争回避は世界の試練

神妙に墓前に合掌しのち児は「ひいじいちゃんまたね」と手を振りスキップ

スシュルタの原典日本語訳出たは46年前のお彼岸

波羅密多にとうてい到達できずとも われはわれに成る道求めん


  2017/09/26

煌めきはCDの裏のごときかな 小さきクモの巣に朝陽の祝福

過剰反応だとは思えどもまさか日本の領空外とは

宇宙空間に飛びしミサイルは「侵犯ない」とあの石破氏も

意図的に他国の脅威を煽るのは軍事強化の常套手段


  2017/09/21 投稿

セラピスト講座の必須科目とて捻りし歌はまだ60首

「17期は独特や」と幸子女史 今また入った仲間ユニーク

楽健の道を往かんと万葉の里にて学ぶアーユルヴェーダ

足腰肚鍛えんとてウォーキング和尚の魔法の足をめざして

「たんしゅく」で早く帰りし吾が子との昼は手軽に素麺4把

ピアニカの「エリーゼ…」と「ねこふんじゃった」交互に聞こゆ蝉時雨の昼

この夏の予定はなんにもないままに明日に迫る終業式

休憩時キュウリとトマトとイチヂクをプールサイドで喰らう母子

プカプカと浮いてるだけではなんだからバタ足でもしてハムスト鍛える

クマゼミの喧し鳴きの樹の下に転がる骸(むくろ)は静かなりけり

一つずつ火をつけ鑑賞する花火八本だけでじゅうぶん満喫

寝る前の楽健のときに「おかあさんボウクウゴウってなに?」ときく子

「ビビッドでユニークな歌」「もはや歌人」佳那惠歌への和尚の評

佳那惠女史フーレで鍛えし体幹で楽健ふめば魔女の足なり

名を変えて施術も変えて前に行く姉さんの才能底知れず

ばあちゃんに預けられて前髪を切られた娘は市松人形

「とうさんにナンプレかってもらった!!」と娘はすでに八問解きけり

「記念日」の意味を辞書で調べた子「それじゃあきのうは『すうどくきねんび』!」

美しい包装紙がわが家に来ればブックカバー用にストック

とりあえずできることから始めたい省エネ・節電・食品ロスゼロ

地球上最も非人道的ゴミは原発から出る核のゴミなり

核兵器禁止条約を力に廃棄へ進め人類は核を

愚かしき戦禍知らぬわが世代も歴史に向き合い次代に繋ぐ

何百万何千万人もの犠牲繰り返さぬため生まれた憲法

胸キュンな映画『植物図鑑』観た 再開したい野草料理を

草木、花、野菜、盆栽育てるはわれの苦手分野なりけり

夏休みアサガオ観察用の鉢次々咲かせ種も採る子

ゴーヤ、ナス、キュウリ、トマト、オクラにピーもらいて料理すわれの役割

原発の事故を境にためらいぬツクシ野草山菜採りたし

この国の土はどこまで汚れたか海はどこまで汚れたか

唐突に「しぜんちゆりょくってなに?」娘の問いは答えに詰まる

A首相加害の歴史に触れぬまま反省皆無の「不戦の誓い」

姉様のひそみに倣いてわれもいざ三百の歌いま詠みいでな

肉入れず砂糖も入れぬ「肉じゃが」を我が家では「もはやじゃが」というなり

「風(ふう)」じゃない味醂と醤油麹とで南瓜を煮れば甘さじゅうぶん

シュガーレス料理研究の結論 醗酵のものが旨さの秘密

力ある土で採れし野菜なればシンプル調味でじゅうぶん満足

「食」という歌よみの鉱脈見つけたり春夏秋冬尽きることなし

サングラスはずせばプールの水面に眩しくはじく飛沫と笑顔

父と子の「おんぶもぐり」なるを編み出して座頭鯨のごと戯れり

本日の遊泳時間終わるのになかなか上がらぬカッパの親子

プールから上がれば己が脊柱に容赦なきかな万有引力

この夏の蝉は吾が子と同い年いのち短し恋せよ乙女

十日ほど命削って鳴きし蝉死して屍拾う者なし

G対策すればムカデも来なかった二月のホウ酸団子が決め手

寝室の灯りつければクニクニとヤモリの這うぞいと愛らしき

飽きつつも実家のゴーヤありがたし 野菜値上がりの記事を見た故

『非老化性パン様食品』というらしいスーパーにあるイーストパンは

フタル酸エステル溶け出すレトルトのカレーは鍋にて温めるがまし

水銀とアルミ含みて十数本乳児に打たれる定期ワクチン

ロウソクを七本たてるケーキ食べディナーは薬膳スープカリィ

「パンを焼く暇もないなら生きる暇もない」とガンジーの言に迫られ

モハマヤの神のバートを戴きて友と学ぶ楽健愉し

道に落つる藍紫の花びらの香り籠りて葛咲き初めし

公園にヌスビトハギの茂みあり小さき秋を告ぐひっつき虫

「ハイボールやる?」と暗い顔に問えば「やろか?」と返す笑顔のありて

あの日からたったの16年なれど911を悼む記事なし

911三千余りの犠牲へのレクイエムかな憲法9条

楽健法施し伝える事の意味まだ解らねどわれこの道往く


  2017年9月20日 投稿

裏山の柿の木色づき始めるにカラス来たりて物色しをり

牛乳のベータカゼインA1もお腹不調の原因なりけり

母もしてみんとて数独するなれど 児の手ほどきでやっとこ一問

探す場所まちがえれば見つかるはずのものも見つからぬと言う牧師

真実を知り真実を伝えたるソジャーナトゥルースその声いかに

誘われて『人生フルーツ』観にゆけば 整えたしや衣食住を

表向き子ども用にと顕微鏡買えどわれが見たやミジンコ

人類に土星の姿とロマンとを届けしカッシーニ燃え尽きにけり

顕微鏡のぞけば母子で「ワンダホー!」蚊の複眼やシラスの鱗

TSUTAYA行けど『この世界の片隅に』全レンタル中今日も借りれず

親の家の壁の積年の塵を洗い わが衣手は重曹水に濡れつつ

ランドセルショルダーラインに汗にじみ 吾が子はおやつの前に宿題

肩の関節が痛みて久々にリュックを新調おでかけ嬉し

軍用機飛ぶをみれば胸騒ぎ ゼッタイノーモア『パパママバイバイ』

  2017/09/06 投稿

三月は吾が子の成長想う月 フクシマ、東北想う月

楽健法実験台の君の手が わが背押すなりセラピスト講座へ

「ママ楽健パンを習って大正解!」プチパンほおばり娘は言う

「あらいやだ!チーズトーストこげちゃった!」娘は平気「ええで大好きやもん」

小出氏の講演会のわが席の隣で娘は鶴を折りをり

「食」と「知恵」知って知らせて手をつなぐ内部被曝に向き合う仕法

アーユルヴェーダ初学者の台所スパイスコーナーに瓶は殖えつつ

藍色のマグに残りしポタージュをすする娘も歌を詠むなり

ウランちゃん起こしてごめんね怒るよね地下でずっと眠たかったよね

放射能、gm、ネオニコ、エトセトラ…「複合汚染2.0(ニイニノンレイ)」

「イノベーション」「デュアルユース」の名の下に蔓延るなかれ軍学共同

人間性欠いた学問、学術に意味があるかとガンジーは問う

鶴淋、多喜二、清、尹東柱(ユンドンジュ)悪法が奪いし命のあまた

何度目の正直なるか「共謀罪」治安維持法の亡霊(ゾンビ)ぞしつこき

幼な子の命奪いし毒ガスのおぞましきかなシリア攻撃

満開のソメイヨシノに見送られ雨の桜井東光寺へ

雨ふるな風吹くな花を散らすなせめて明日の入学式まで

六度目の春に吾が子の摘む土筆受け取る指に須臾のためらい

濡れ髪を乾かしをりて空いた手で『アーユルヴェーダ』の頁めくりぬ

あと数行読んだらこの章終わるから読み切りたいでもまぶた閉門


    2017/08/08  投稿

「かあさんのりょうりのまほうしりたい」と即席スープで言われても…

隣人のこころの痛みがわかることそれを、人間性というのだ

避難した君の話に聴き入りてわれは自問す何をなすべき

大切な人と離れてしまうけど沖縄転勤第一希望

窓を開けヨガをしをりてうぐいすの声はこう鳴く「ホーホットケキョウ」

朝五時にスムージーを飲みながら夫婦で聴き入るうぐいすの声

メジロをばまことに愛する者なれば野に鳴く声こそ美しかろうに

「しょうがないやっちゃなあ」と言おうとし六才の子は「しょーがやっちゃなー」

新緑に桐の紫かくしたる生駒の山道西へと急ぐ

阪奈越え実家に向かうドライブで窓あけ薫風招き入れたり

緑風に吹かれて阪奈を走りをりミラーのぞけば前髪くしゃくしゃ

ユキノシタ白く小さき花の咲く茎は「おばけだぞう」に似てをり

キッチンの窓辺にプリズム置きたれば白湯のむマグに虹ぞ映りぬ

友だちと待ち合わせした坂の下笑顔がふたつ朝の陽光(ひかり)に

エプロンし台所に立ち洗い物「東光寺」から「うち」にかえる

手をつなぎ吾が子と歩く登校路みどりのにおいに足を止められ

子がいけばラジオを入れて朝の家事この春からの新習慣なり

「これどう?」と和尚がくれし栞をば丸山博著作にはさみぬ

はじめての授業参観日の朝に子はわれの縫しスカートをはく

校門で段ふみはずし尻もちす誰にも見られずセーフなりけり

「かあさんのかおにほくろが40こ」君よ数えたまふことなかれ…

「さんかくぶちしんじゅうきょうのガラのぬのこんどかって!」と言われ困惑

三月は吾が子の成長想う月 フクシマ、東北想う月

楽健法実験台の君の手が わが背押すなりセラピスト講座へ

「ママ楽健パンを習って大正解!」プチパンほおばり娘は言う

「あらいやだ!チーズトーストこげちゃった!」娘は平気「ええで大好きやもん」

小出氏の講演会のわが席の隣で娘は鶴を折りをり

「食」と「知恵」知って知らせて手をつなぐ内部被曝に向き合う仕法

アーユルヴェーダ初学者の台所スパイスコーナーに瓶は殖えつつ

藍色のマグに残りしポタージュをすする娘も歌を詠むなり

ウランちゃん起こしてごめんね怒るよね地下でずっと眠たかったよね

放射能、gm、ネオニコ、エトセトラ…「複合汚染2.0(ニイテンレイ)」

「イノベーション」「デュアルユース」の名の下に蔓延るなかれ軍学共同

人間性欠いた学問、学術に意味があるかとガンジーは問う

鶴淋、多喜二、清、尹東柱(ユンドンジュ)悪法が奪いし命のあまた

何度目の正直なるか「共謀罪」治安維持法の亡霊(ゾンビ)ぞしつこき

幼な子の命奪いし毒ガスのおぞましきかなシリア攻撃

満開のソメイヨシノに見送られ雨の桜井東光寺へ

雨ふるな風吹くな花を散らすなせめて明日の入学式まで

六度目の春に吾が子の摘む土筆受け取る指に須臾のためらい

濡れ髪を乾かしをりて空いた手で『アーユルヴェーダ』の頁めくりぬ

あと数行読んだらこの章終わるから読み切りたいでもまぶた閉門

雨風に耐えし校庭の桜がピカピカの一年生を迎える

入学式緊張したか一年生カレーひとくちだけ食べて眠る

氷上にトリプルアクセル跳びし君ソチのラフマニノフを忘れじ

楽健寺和尚のくれし酵素にてわれはバゲット試行錯誤す

ランドセル背負いて初の「いってきます!」ばあちゃん出てきてパチリと一枚

ランドセル揺らして初の通学路吾が子を公然尾行するなり

ランドセルカタカタ鳴りて朝の道確かな歩調にわれは安堵す

午後三時斜めの陽光(ひかり)に黒髪を弾ませ花散る小道を往く子

田畠海風土の恵み米豆塩命育み支え祝ぐ

内部被曝の正き恐れ方われに教えし肥田氏逝きけり

共謀罪に君怖れたまうことなかれ歴史は証(あか)す盛者必衰

門前の草抜きをりて手が止まる蒲公英のこす最寄会(あつまり)の朝

Pict3

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